研究課題/領域番号 |
23K09137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
稲葉 裕明 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (70359850)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | P. gingivalis / F. nucleatum / Leptotrihia / 口腔扁平上皮癌 / 予後 / 歯周病 / 口腔癌 / 次世代シークエンサー |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病菌Porphyromonas gingivalis感染がもたらす、口腔癌の予後を予測する分子を口腔扁平上皮癌細胞培養モデルと動物実験モデルを用いて、次世代シークエンサーとデータベースによる口腔癌の予後予測分子の解析ならびに同定する。これらの結果を基に、口腔癌の予後を決定するシステムの確立と分子基盤の解明を進める。
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研究実績の概要 |
本研究費でPorphyromonas gingivalis に感染した口腔扁平上皮癌細胞や口腔癌マウスモデルサンプルのトランスクリプトーム解析ならびにデータベース探索により、特異的な予後予測分子を特定する。P. gingivalis 感染が口腔癌の予後に関わる影響を遺伝情報を基に解明することを目的としている。
P. gingivalis 感染は様々なシグナル伝達機構を介してMMP9の分泌や活性化を促進し口腔癌の浸潤を亢進することが明らかになっている。しかしながらが、進展後に関わる予後に焦点を当てた解析がなされていない。
本年度は、口腔細菌感染モデルの解析に先立ち、口腔細菌叢が口腔癌予後に及ぼす影響をCancer Microbiome Atlas (TCMA) データベースとThe Cancer Genome Atlasを用いて口腔腫瘍内微生物叢の役割明らかにした。正常組織と原発腫瘍組織では細菌叢が異なり、Leptotrihia属の存在が口腔癌の生存率を左右するとともに、Leptotrihia属を標的とした特定の抗菌療法は、頭頚部扁平上皮癌の予後に影響を与える可能性が明らかにした。さらに歯周病菌P. gingivalis ならびに対照群としてFusobacterium nucleatum を口腔癌細胞に感染させ、口腔癌に付着するモデルを作成し、次年度に向け、トランスクリプトーム解析ならびにデータベース探索のためのサンプリングの準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔細菌叢と口腔癌予後の関連性を明らかにし、正常組織と原発腫瘍組織では細菌叢が異なることを明らかにすると共に、口腔癌の予後に関連する特定の細菌を提示することができた。歯周病菌であるP. gingivalisだけでなく、大腸がんなどに影響をおよぼすF. nucleatumを比較対象に加えトランスクリプトーム解析のサンプルを作成することができた。今後はこれらのサンプルを用いて解析を進める。これらの解析が進めば、病原因子変異株を用いた解析を進める予定である。一方、口腔癌マウスモデルは研究室の異動が予定されており、研究室をセットアップを行い、先に培養細胞株を用いた解析を進める予定にしている。
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今後の研究の推進方策 |
歯周病菌P. gingivalis ならびに対照群としてFusobacterium nucleatum を口腔癌細胞に感染させ、トランスクリプトーム解析ならびにデータベース探索のためのサンプリングを行う。完成したサンプルを次世代シークエンサーによる解析を進め、データベース探索を行うとともに、歯周病菌感染による口腔癌予後に関係する分子の道程を行う。またこれらの分子が同定された際、western blottingなどによりタンパク質発現の変化も経時的に明らかにする。研究室異動が予定されるため、先に動物実験がかなり遅れる可能性が見込まれるため、先に細胞培養実験による解析で明らかにしていく予定である。
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