研究課題/領域番号 |
23K09156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小又 尉広 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (20644371)
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研究分担者 |
佐藤 浩二郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (10372434)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | クラス1型HLA / NK細胞 / IFN-γ / 自己炎症性疾患 / 自然免疫細胞 / サイトカイン / MHCクラス1型遺伝子多型 / ベーチェット病 |
研究開始時の研究の概要 |
ベーチェット病は近年、自然免疫系の異常による自己炎症性疾患として理解されるようになっている。本疾患ではMHC classⅠ型遺伝子多型(HLA-B51)が高頻度で認められるものの、この表現型がどのように自然免疫系の細胞の活性化に繋がるのかについては不明な点が多い。我々は各種MHC classⅠ分子を強制発現させたHEK293T細胞と末梢血由来単核球を共培養を行い、培養上清中のサイトカインを定量する実験系を確立した。HLA-B51がどのような自然免疫細胞や液性因子ネットワークを活性化するのか、その一端に迫る。
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研究実績の概要 |
研究の目的は、MHC class1分子多型(HLA-B51)が、どのように自然免疫細胞を活性化し、炎症性サイトカインネットワークを活性化するのか、明らかにすることである。 293T細胞にクラス1型HLA-B51を発現させ、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)と共培養し、培養上清中のサイトカイン 産生量をビーズアレイによる測定する実験を行った。特に、IFN-γの分泌量が増加することを発見した。次に、自動磁気分離装置を使用し、NK細胞を分離し、同様に共培養実験を行ったところ、IFN-γの産生を確認した。NK細胞がIFN-γを主に産生していると考えられる。 複数の健常者のNK細胞を使用し、IFN-γ産生量を測定すると、HLA-B51陽性の健常者NK細胞が、HLA-B51陰性健常者のNK細胞を使用した場合よりも、IFN-γの産生量は多かった。今後、他に提供者を募集し、再現性を確認する。 一方で、HLA-B51がどのようにNK細胞に作用し、IFN-γの分泌を誘導するかについても研究を進めている。HLA-B51がリガンドとして作用する受容体としては、NKG2Dを想定している。ヒトNK細胞由来細胞株KAI3およびKHYG1を使用して、同様の実験を行った場合も、IFN-γの産生が確認でき、NK細胞同様NKG2Dを発現している。NKG2Dの発現量とIFN-γ産生量との関係を解析している。 今後の展開として、NKG2D欠損NK細胞を作出し、HLA-B51がNKG2Dに作用し、IFN-γ産生を誘導することを証明する。また、IFN-γ増大によって、変動する他のサイトカインを明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時は、293T細胞とNK細胞の共培養実験では、HLA-B51を発現させた場合、他のHLA多型を発現させた場合よりも、IFN-γの産生量が最も多いのではないかと予想していたが、その他のクラス1型HLAを発現させた場合でも、IFN-γを産生した。しかしながら、提供者(健常者)のHLA型がHLA-B51の場合、特にIFN-γの産生量が増加することを見出した。 もう一つの発見は、IFN-γの産生量が、採血日により、大きく変動したことである。HLA-B51が作用する分子として、NKG2Dが予想し、そのmRNA発現レベルを確認したところ、IFN-γの産生量と相関していることを発見した。NK細胞由来細胞株KAI3およびKHYG1を使用して、同様に共培養実験を行った場合、IFN-γの産生量は大きく変動しないものの、KAI3とKHYG1の間に差が見られた。それぞれのNKG2D mRNA発現量と対応していることを確認した。現在、フローサイトメトリーを使用し、細胞表面でのNKG2Dの発現量の解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
HLA-B51とIFN-γ産生量の関係については、複数のHLA-B51陽性健常者を募集し、再現性を確認する。 IFN-γの産生メカニズムについては、細胞内染色により、NK細胞内のIFN-γを定量する。また、NKG2Dの細胞表面での発現量をFACS解析により、明らかにし、IFN-γの産生量と相関することを示す。さらに、ゲノム編集により、ヒト初代NK細胞、KAI3、KHYG1のNKG2Dノックアウト細胞を作製し、HLA-B51がNKG2D受容体に作用し、IFN-γを分泌することを証明する。 一方で、NK細胞のIFN-γ産生量が変動するのはなぜだろうか。おそらくIFN-γの不足を補完するために、他にIFN-γ産生細胞があると推測している。IFN-γを産生するTh1に相当するT細胞集団を同定すること、IFN-γ産生について、NK細胞とT細胞の連携はどのように制御されているのか明らかにすること、を発展的課題としたい。
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