研究課題/領域番号 |
23K09181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 蘭奈 大阪大学, 大学院歯学研究科, 特任研究員(常勤) (70711068)
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研究分担者 |
北川 晴朗 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50736246)
LARANJEIRA・ABE GABRIELA 大阪大学, 大学院歯学研究科, 特任助教(常勤) (30964952)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 歯学 / 歯科材料 / 抗菌性 / 歯質強化作用 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、バイオアクティブガラスを修復材料に応用する研究が国内外で行われている。しかし、45S5のようなSi、Ca、Na、Pから成るバイオアクティブガラスは、ガラスから溶出するイオンにより修復後の歯質の再石灰化に対しては有効であるが、抗菌効果は僅かであるため、修復材料表面への細菌の付着を抑制する効果は期待できない。本研究では、抗菌成分であるZnを含有する酸溶解性ガラスと、中性pH条件で溶解するCa含有ガラスを組み合わせて用いることで、プラーク内のpH低下に応じて抗菌性を発揮するとともに、持続的に歯質強化作用を発現する根面う蝕予防材料の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、まず、pH低下に応じて抗菌性を発揮するガラスと、中性pHにおいて歯質強化作用を発現する2種のガラスを作製した。抗菌効果を発揮するガラスとして亜鉛含有のケイ酸塩系ガラスを、歯質強化作用を発揮するガラスとしてカルシウム含有のリン酸塩系ガラスをそれぞれ熔融・急冷法によって作製した。作製した亜鉛含有ケイ酸塩系ガラスおよびカルシウム含有リン酸塩系ガラスを平均粒径が約10μmとなるように粉砕し、各ガラスの組成を蛍光X線(XRF)分析およびエネルギー分散型X線マイクロアナライザー(EDS)分析により解析した。 次に、作製した亜鉛含有ケイ酸塩系ガラスおよびカルシウム含有リン酸塩系ガラスの各粒子の溶解性およびイオン溶出性を評価するため、pHの異なる溶液に各ガラス粒子を24時間浸漬後、重量変化を測定して溶解率を算出した。また、亜鉛含有ケイ酸塩系ガラスおよびカルシウム含有リン酸塩系ガラスの各粒子を浸漬後の溶液中の溶出イオン濃度を、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)を用いて測定した。その結果、亜鉛含有のケイ酸塩系ガラス粒子は、浸漬した溶液のpHが低下するにしたがって、ガラス粒子の溶解率が増加し、ガラス粒子から溶出される亜鉛の溶出濃度が増加することが分かった。一方、カルシウム含有のリン酸塩系ガラス粒子は、浸漬した溶液のpHの増加に伴い、ガラス粒子の溶解率が増加し、ガラス粒子から溶出されるカルシウムの溶出濃度が増加することが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の研究実施計画に則り、pH低下に応じて抗菌性を発揮するガラスと、中性pHにおいて歯質強化作用を発現するガラスの作製に成功し、当初想定していた通りの結果が得られた。 以上のことから本研究の進捗は、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5度に得られた結果に基づいて、抗菌ガラスと歯質強化ガラスの各機能を検討する。
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