研究課題/領域番号 |
23K09184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
武田 克浩 広島大学, 病院(歯), 講師 (10452591)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 小胞体ストレス / 歯髄炎 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は小胞体の恒常性の破綻が歯髄炎発症に関与するという仮説をたて、炎症の制御および歯髄-象牙質複合体再生の制御という観点から歯髄細胞におけるERストレス応答機構を解明することで、歯髄炎の新たな治療標的を見出すことを目的とした。ERストレスを制御することで、過剰な炎症を速やかに鎮静化し、歯髄細胞の増殖や分化を誘導し、修復象牙質形成を促進することができれば、歯髄の保存にとって非常に有用である。
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研究実績の概要 |
本研究は小胞体の恒常性の破綻が歯髄炎発症に関与するという仮説をたて、炎症の制御および歯髄-象牙質複合体再生の制御という観点から歯髄細胞におけるERストレス応答機構を解明することで、歯髄炎の新たな治療標的を見出すことを目的とした。ERストレスを制御することで、過剰な炎症を速やかに鎮静化し、歯髄細胞の増殖や分化を誘導し、修復象牙質形成を促進することができれば、歯髄の保存にとって非常に有用である。本研究は歯髄炎に対する歯髄保存療法の研究に大きな波及効果をもたらし、歯の保存と口腔機能維持による国民の健康寿命延伸を促すことが期待される。さらに、ERストレスが発症に関わるとされる糖尿病、アルツハイマー、ALSなどの神経変性疾患といった他の疾患の治療法開発に応用できる点も特色の1つである。2023年度は抜去歯の歯髄組織を用いて歯髄炎の小胞体ストレス反応を調べること、培養ヒト歯髄細胞(LONZAより購入)を用いて小胞体ストレスが歯髄細胞の炎症性サイトカイン発現に及ぼす影響を検討することを計画した。広島大学疫学研究倫理審査委員会の承認を得て(承認番号E-2741)、矯正治療において便宜的に抜歯した健全な歯及びう蝕や歯周炎で抜歯に至った歯の採取は、現在も継続的に行っている。これまでに、う蝕を有する歯の歯髄組織において小胞体ストレスマーカーの1つであるXBP-1が発現していることが免疫組織学的検討で明らかとなった。また、小胞体ストレスを誘導するツニカマイシンを培養ヒト歯髄細胞に作用すると小胞体ストレスマーカーに加えて、炎症性サイトカインであるIL-6やIL-8の遺伝子発現が上昇することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
矯正治療において便宜的に抜歯した健全な歯及びう蝕や歯周炎で抜歯に至った歯の採取が順調に進んでいる。 ERストレスを誘導する薬剤であるツニカマイシンを作用した培養ヒト歯髄細胞の炎症性サイトカイン遺伝子発現の解析も問題なく進行している。
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今後の研究の推進方策 |
歯髄炎を想定して、培養ヒト歯髄細胞をlipopolysaccharide(LPS)などで刺激し、ERストレスマーカーの遺伝子発現、タンパク質発現を検討する。またLPS刺激に反応するERストレスセンサーを探索していく。
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