研究課題/領域番号 |
23K09191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
樋口 直也 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10329609)
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研究分担者 |
林 潤一郎 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (30350937)
福田 光男 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (40156790)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 抗菌光線力学療法 / デュアルバイオフィルム / 難治性根尖性歯周炎 / 歯内治療 / インドシアニングリーン封入ナノ粒子 / 半導体レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
現在、色素を細菌に付着させ、光を当てることで殺菌する方法(抗菌光線力学療法)の臨床応用が注目されている。本研究では、歯科治療の中で最も困難な治療の一つである、根管の清掃における抗菌光線力学療法の臨床応用の可否を検討する。具体的には、抜去された歯の根管に複数種の細菌によるバイオフィルムを作製し、インドシアニングリーンを封入したナノ粒子をバイオフィルムに付着させ、レーザーを照射することで、根管清掃における抗菌光線力学療法の殺菌効果とバイオフィルム除去効果を評価し、臨床応用の可否を検討する。
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研究実績の概要 |
これまで細菌(単独)によるバイオフィルムに対する抗菌光線力学療法(aPDT)の殺菌効果を確認してきたため、本年度は、浮遊状態の真菌、真菌単独のバイオフィルム、および細菌と真菌のデュアルバイオフィルムに対する殺菌効果を調べた。 真菌としては、難治性根尖性歯周炎に関連すると考えられているCandida albicans ATCC10231を用い、BHI液体培地中で浮遊状態のC. albicansに対するaPDTの殺菌効果を調べた。インドシアニングリーン封入ナノ粒子を作製し、終濃度10mg/mlで使用した。光源には半導体レーザー(810nm)を用いた。その結果、細菌(Enterococcus faecalis)と同等レベルの殺菌効果が認められた。 そこで、C. albicans単独のバイオフィルムに対する殺菌効果を調べるために、単独バイオフィルムを作製し、Biofilm Viability Assay Kitで検出を試みた。その結果、バイオフィルムは認められなかった。真菌の重量のため、重力によりウェル底に溜まり、ペグと呼ばれる蓋側に付着している突起部にはバイオフィルムはできなかったことが推測された。 次に、Enterococcus faecalisとのデュアルバイオフィルムの作製を試みた。培養時間48時間とし、作製開始時の菌数、比率を変え、バイオフィルム作製に最適な条件を同Kitを用いて、吸光度計(450nm)で判定した。最適な条件で、デュアルバイオフィルムを作製し、aPDT後、コロニーカウントで殺菌効果を判定した。その結果、約90%の殺菌効果がみられており、浮遊状態に対してよりも殺菌効果が低下していた。また、現在のところ、E. faecalis単独のバイオフィルムよりも少し効果が低い結果となっているが、レーザー照射条件設定によりまだ改善できると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、予定していた細菌が液体培養時に様々なサイズの菌塊として沈殿し、菌数など条件を一定にできなかったため、菌種の変更を検討していた。そのため、当初の計画より開始が大幅に遅れたが、その後は、真菌単独のバイオフィルムが検出できないなど、多少のトラブルがあったものの、デュアルバイオフィルムの作製条件を決定でき、レーザーの照射条件を検討できている。環境が整っており、術式に慣れているため、要領よく実験が進み、ある程度遅れを取り戻せたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
プレート上でレーザー照射条件をもう少し改善し、ブタの歯根を利用した感染根管モデルに適用する予定である。感染根管モデルでは、根管内でデュアルバイオフィルムを作製し、aPDTを行い、根管の部位別に菌を回収し、各部位での殺菌効果をコロニーカウントで調べ、SEM、共焦点レーザー顕微鏡で確認していく予定である。
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