研究課題/領域番号 |
23K09206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
奥山 克史 朝日大学, 歯学部, 准教授 (00322818)
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研究分担者 |
松田 康裕 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (50431317)
新谷 耕平 朝日大学, 歯学部, 助教 (50824455)
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 教授 (70513670)
玉置 幸道 朝日大学, 歯学部, 教授 (80197566)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 象牙質知覚過敏症 / フッ化チタン / PIXE/PIGE法 / ナノサイズ / 象牙細管封鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
象牙質知覚過敏症に対する有用な治療法は象牙細管封鎖であり、それを短時間で効率よく起こすためには、外部より微細な物質を供給することで封鎖する必要があると考える。そこでこれまで培ってきたナノコンポジット作製法とフッ化チタンによるう蝕抑制作用を応用した象牙質知覚過敏症治療剤の開発を目指すことが本研究の目的となる。 作製した治療剤について、SEMによる形状の観察、EDX, XRD等での元素分析や結晶の分析、溶出イオンの分析や細胞毒性の評価を行い、適切な治療剤への組成、配合を検討するとともに、ウシ抜去前歯根面に作用させ、根面への保持状態や、PIXE/PIGE法により材料から歯質への元素分布を解析する。
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研究実績の概要 |
象牙質知覚過敏症に対する有用な治療法は象牙細管封鎖であり、それを短時間で効率よく起こすためには、外部より微細な物質を供給することで封鎖する必要があると考える。そこでこれまで培ってきたナノコンポジット作製法とフッ化チタンによるう蝕抑制作用を応用した象牙質知覚過敏症治療剤の開発を目指すことが本研究の目的となる。 2023年度は、象牙質知覚過敏症治療剤の試作として、これまでのナノコンポジット作製法を参考に、フッ化チタン(TiF4)と水酸化カリウム(KOH)混合による析出物を用いて検討した。具体的にはHEPESをベースとし、リン酸カリウムと塩化カルシウム、塩化カリウムを添加し、KOHでpHを調整した再石灰化溶液(自作)に1%TiF4を溶解させた、フッ化チタン再石灰化溶液に、5NKOHをpHが12になるくらいまで滴下する。その後析出物(沈殿物)を取り出し、1つは沈殿物を水洗後乾燥させ、その後乳鉢ですりつぶすことで治療剤を作製した。もう一つは沈殿物を水洗後、そのまま蒸留水中に保存し、その懸濁液を治療剤として利用した。粉末を蒸留水に混和したものと懸濁液を、脱灰により象牙細管開口部を露出させた象牙質面に塗布し、走査型電子顕微鏡で象牙質表面を観察した。その結果粉末を蒸留水で混和した試作品を使用した群が、象牙細管開口部を多く塞いでいた。また試料に対しPIXE/PIGE法で分析したところ、とくに粉末を使用した群では象牙質表層のチタンとフッ素の沈着を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試作品について走査型電顕での観察とPIXE/PIGEによる分析は行っているが、EDXでの粉末の分析ができておらず、試作品もフッ化チタン以外の物質を添加したものを検討していない。高崎研での研究形態の急な変更とEDX所有の施設の都合もあり思うように研究が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、治療剤試作が思うように進展しなかったため、上記の材料に添加する元素の種類を絞り、形態観察や構造解析を行う。同時に歯質への適用により元素の浸透や象牙細管の封鎖性を評価していく。
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