研究課題/領域番号 |
23K09209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
前田 博史 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (00274001)
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研究分担者 |
辻 則正 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30454565)
仲間 ひとみ 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50803350)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ロンボイドプロテアーゼ / Porphyromonas gingivalis / 口腔細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔内常在菌の中には生体防御機能が低下した際に病原性を発揮し、重篤な全身疾患を引き起こすものがある。なかでも、齲蝕、ならびに感染根管内から分離される口腔内細菌(Enterococcus, Streptococcus, Rothia属)には、感染性心内膜炎、髄膜炎、肺炎、あるいは敗血症の原因菌となるものが多い。 これらの細菌種は強力な病原因子を保有していないが、全身へ移行した際にはコラーゲン結合タンパク、あるいはプロテアーゼが病態に関与すると考えられている。その中で、本研究課題ではロンボイドプロテアーゼに着目して、病態との関連性を解明する。さらに、抗菌療法の標的分子としての可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
ロンボイドプロテアーゼは膜内セリンプロテアーゼの一種であり、様々な生物種で広く保存されている。タンパク質の膜内ドメインを切断する機能をもつ興味深い性質を有しているが、膜外にも活性部位を有するという報告があり、生物学的機能について不明な点を多く残している。本研究の目的は口腔内細菌の保有するロンボイドプロテアーゼの機能解析、あるいは基質を同定することによって、病原性への関与について明らかにすることである。これまでの研究において、Rothia mucilaginosaにはロンボイドプロテアーゼがセリンプロテアーゼ様活性を示す機能分子として保存されており、リポプロテインとして膜内で酵素活性を示すことを明らかにしてきた。 2023年度は、R. mucilaginosaと系統発生学的に距離の離れた口腔細菌種としてPorphyromonas gingivalisに着目して解析を行った。バイオインフォマティクスを応用した解析からP. gingivalisには304アミノ酸、ならびに238アミノ酸からなるロンボイドプロテアーゼの相同性分子が存在することが明らかとなった。これらの遺伝子は染色体上で近接して存在しており、バイシストロニックオペロンを形成している可能性が高いと推察された。P. gingivalisの保有する2種類の遺伝子を単離して、エリスロマイシン耐性カセットを構造遺伝子中に組み込んだ。今後は、P. gingivalisの保有するロンボイドプロテアーゼの酵素活性を解析するとともに、ロンボイドプロテアーゼ欠損株と親株のプロテオーム解析から、酵素基質の選定を実施する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子の単離に予想外に時間を要した。また、遺伝子データベースに登録されているPorphyromonas gingivalisの菌株数が多く、情報整理に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
これまで解析してきたRothia mucilaginosaと系統発生学的に距離の離れた口腔内細菌としてPorphyromonas gingivalisに着眼した。異なる菌種のロンボイドプロテアーゼ分子の解析を行うことによって、ロンボイドプロテアーゼ相同性分子に共通の特性、ならびに菌種に特徴的な性質を解明できる可能性があると考えている。
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