研究課題/領域番号 |
23K09215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 晴朗 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50736246)
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研究分担者 |
今里 聡 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (80243244)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯学 / 歯科材料学 / 生体材料 / ドラッグデリバリー / バイオフィルム / 歯科材料 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、これまで、抗菌成分の溶出による歯科材料への抗菌性付与に関する研究を遂行してきた。本研究では、非生体分解性の薬剤徐放用ポリマー(polyHEMA/TMPT)粒子を用いて、抗菌成分(塩化セチルピリジニウム)を徐放する技術に、eDNA分解酵素の徐放によりバイオフィルム内の細胞外DNAを制御する技術を組み合わせることで、細菌および細胞外DNAの両者を対象とする口腔バイオフィルム制御法を確立し、その歯科用レジンへの応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、バイオフィルム内の口腔細菌および細胞外DNAを標的とする薬剤徐放ポリマー粒子を作製した。 バイオフィルム内の口腔細菌を標的とする薬剤として、抗菌剤である塩化セチルピリジニウムを担持させたポリマー粒子を、浸漬担持法および重合前添加法の2通りの手法で作製した。まず、浸漬担持法により塩化セチルピリジニウムを担持させる粒子として、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)を重量比で1:1の割合で混和し、過酸化ベンゾイルを加えて加熱重合した後、得られた各硬化体を粉砕した。得られたpolyHEMA/TMPT粒子を500μg/mLまたは5 mg/mLの塩化セチルピリジニウム水溶液に浸漬し、室温で24時間保管した後、凍結乾燥処理を施し、塩化セチルピリジニウム担持polyHEMA/TMPT粒子を得た。一方、重合前添加法では、HEMAとTMPTの重量比1:1のモノマー混合液に、0.5、5、または10 (wt)%となるように塩化セチルピリジニウムを添加し、加熱重合を施した後、粉砕して、塩化セチルピリジニウム担持polyHEMA/TMPT粒子を得た。 次に、バイオフィルムの細胞外DNAを標的とする薬剤として、細胞外DNA分解酵素を担持させたpolyHEMA/TMPT粒子を作製した。HEMAとTMPTを重量比で9:1の割合で混合し、前述と同様に加熱重合を施した後、粉砕した。得られた粒子を細胞外DNA分解酵素溶液に浸漬し、室温で24時間保管後、凍結乾燥処理を施し、細胞外DNA分解酵素担持polyHEMA/TMPT粒子を作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の研究実施計画に則り、塩化セチルピリジニウムおよび細胞外DNA分解酵素を担持させた各ポリマー粒子の作製に成功し、当初想定していた通りの結果が得られた。 以上のことから本研究の進捗は、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5度に得られた結果に基づいて、塩化セチルピリジニウムおよび細胞外DNA分解酵素担持ポリマー粒子からの各薬剤の溶出性を検討する。
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