研究課題/領域番号 |
23K09232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平田 伊佐雄 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40346507)
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研究分担者 |
森田 晃司 広島大学, 病院(歯), 助教 (30555149)
加藤 功一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50283875)
下江 宰司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (90379884)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 骨再生スカフォールド / 炭酸アパタイト / コンポジット / 三次元印刷 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、積層造型法を用いて、低コストかつ短時間で骨再建スカフォールドを造形する機運が高まっている。融解積層法を用いた骨再生スカフォールドの機械的性質は比較的高いが、生体分解速度や骨再生速度に難を抱える事が多い。そのため、機械的強度を維持しつつ骨再生能を高めるためには、印刷に用いる材料の改良及び修飾が必要となる。そこで本研究は、骨再生能の高い炭酸アパタイトと骨再生能を高める遺伝子組みかえタンパクを組み合わせることで、骨再生能及び機械的特性に優れた表面修飾型PCL複合体スカフォールドの三次元印刷モデルの設計・開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、骨再生に優れたCO3ApをPCLに導入することで、三次元印刷体の骨再生能が飛躍的に高まるのではないかと想定している。また、CO3Ap-PCL複合三次元印刷体の表面に特異的に吸着する性質を付与した遺伝子組みかえサイトカインを開発・導入することにより骨再生能が更に高まると想定している。 PCLは程よい機械的強度を有するが、骨伝導能・組織再生能が弱い傾向がある。骨再生において、CO3Apは骨アパタイトと同等の組成・結晶度を有する事から、PCL三次元印刷体に導入することにより骨再生能の向上が期待できる。また、bFGFやBMP等のサイトカインを三次元印刷体表面に付与することでも骨再生能の向上が期待できる。そこで、PCL表面結合ペプチド含有サイトカインを開発し、PCL三次元造形体に付与を試みる。 令和5年度は、Ⅰ: CO3Apの合成、Ⅱ: CO3Ap-PCL混合粉体の作成を主に行った。合成したアパタイトを、ICPを用いて化学組成の定量、XRDにて結晶性の評価、SEMにて結晶粉末の形態観察を行い、骨組成に近いCO3Apを数umのサイズで得ることができた。 PCL粉体は、PLCペレットを凍結粉砕機で粉砕し、電動ふるいを用いて約300um以下の粉体を取得した。CO3ApとPCL粉体を攪拌用ポットに投入し、ポットミル機を用いて十分に攪拌をおこないCO3Ap-PCL混合粉体を調整した。この混合粉体は、ヒートエクストルーダに投入し、加熱融解・圧縮空気にてノズルより押し出すことで三次元構造体を印刷できることが示された。また、混合粉体およびその印刷体をDSC及びXRD測定を行い、混合体の融点・ガラス転移点およびPCLの結晶度を測定し、今後の3次元印刷での条件の検討を行った。 今後はⅢ: 三次元印刷体の内部構造の構築、Ⅳ: CO3Ap-PCL三次元構造体の印刷と機械的強度の評価を中心に行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、Ⅰ・Ⅱの実験により「CO3Ap-PCL複合体の作製法」Ⅲ・Ⅳの実験により「三次元印刷体の機械的強度の制御法」Ⅴ・Ⅵの実験により「CO3Ap-PCL三次元構造体の骨再生スカフォールドの機能評価」を行うが、現時点においてⅠ・Ⅱが順調のため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、Ⅰ・Ⅱの実験により「CO3Ap-PCL複合体の作製法」Ⅲ・Ⅳの実験により「三次元印刷体の機械的強度の制御法」Ⅴ・Ⅵの実験により「CO3Ap-PCL三次元構造体の骨再生スカフォールドの機能評価」を行うが、引き続きⅢ・Ⅳの実験を行っていく。
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