研究課題/領域番号 |
23K09234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松裏 貴史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10721037)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | MTA / 歯内療法 |
研究開始時の研究の概要 |
限局した深い歯周ポケットを伴う不完全垂直歯根破折(以下VRF)は、極めて予後が悪く抜歯となることが多い。一方研究代表者は令和3年より、次世代型バイオセラミックス(以下BR)の生物学的特性に関する研究を行っており、BRがヒト歯根膜線維芽細胞に対して細胞親和性の点で非常に優れていることを発見した。また、BRは逆根管充填において封鎖性や破折抵抗性に優れることから、BRを用いてVRFを治療することができるのではないかと考えた。以上より、BRを用いたVRFの新規治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
ProRoot MTA(以下P),MTAアンジェラスHP(以下HP),MTA Flow White(以下F),ニシカキャナルシーラーBG Multi(以下N),Bio-C Repair(以下BR)の5種類のバイオセラミックス,およびスーパーボンド(以下SB)の計6種類の歯科用材料の,ヒト歯根膜由来細胞(以下hPDLCs)における細胞親和性を評価することを目的として実験を行った.P, HP, F,N,BR, SBの6種類の材料でディスクを作製した.また,長崎大学病院で抜歯された抜去歯のうち,歯周炎もしくは智歯周囲炎を認めない小臼歯および第三大臼歯において,メスを用いて歯根中央部1/3からhPDLCsを採取し,10% FBS含有DMEM培地中で37℃,5% CO2条件下で培養後,3~5代継代したものを実験で使用した.作製したディスクを48ウェルプレートの底面に静置し,その上にhPDLCsを,100,000cells/wellの濃度で播種し,10% FBS含有DMEM培地中で培養し,7日目および28日目に,MTT Cell Proliferation Assay Kitを用いて細胞代謝活性試験を行った.ディスクを静置せずhPDLCsのみで培養したものをネガティブコントロールとした(以下NC).培養7日目と28日目の吸光度の差の検定に,対応のあるt検定を用いた(α = 0.05).培養7日目の吸光度は,F群 < N群 < BR群 < SB群 < P群 < HP群 < NC群の順に大きい結果となり,培養28日目の吸光度は,F群 < P群 < N群 < BR群 < SB群 < NC群 < HP群の順に大きい結果となった.また,HP群,N群, BR群, SB群およびNC群では,培養7日目と比較して28日目において有意に吸光度の上昇を認めたものの,P群およびF群では有意差を認めなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
硬組織形成能の評価をするにあたり、28d培養したら、各群で細胞増殖の速度が大きく異なり比較できなかった。そのため、計画と異なり28dでの細胞親和性の解析から始めることとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
細胞親和性へ影響する因子を調べ、またMTAを充填した抜去歯で破折抵抗性や封鎖性を調べる。また現在ラットの予備実験を始めている。
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