研究課題/領域番号 |
23K09236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
池田 弘 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80621599)
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研究分担者 |
永松 有紀 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40220579)
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
吉居 慎二 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (90710484)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 歯根膜付着型インプラント / 3Dプリント / 生体模倣 / 歯根膜 / インプラント |
研究開始時の研究の概要 |
歯根膜組織を付着させたインプラントは、天然歯と同様の機能(固有感覚、緩衝作用、歯の移動など)の回復が見込まれることから、新しい欠損補綴治療として期待される。複雑形状が造形できる3Dプリントは、オーダーメイド型の補綴装置の作製に適した方法だが、3Dプリント可能な歯根膜付着型インプラント体は報告されていない。本研究では、申請者らが創製した天然歯と同じ力学的性質をもつ3Dプリント素材を応用し、歯根膜付着型インプラント体に使用可能な新規3Dプリント材料を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、3Dプリント可能な歯根膜付着型インプラント体(新規材料)の創製である。本年度は、新規材料の力学的生体適合性、3Dプリント造形性、生物学的生体適合性を明らかにするため、以下の項目を実施した。まず、3Dプリントに使用するセラミックレジンの調製を行った。バイオアクティブガラス、アクリルレジンモノマー、光吸収剤などを所定の割合で混合し、セラミックレジンを得た。これを光造形方式の3Dプリンターを用いて歯根形状に造形した。造形物を焼成し、レジンを含浸させることでポリマー含浸セラミックス(新規材料)を得た。新規材料の力学的性質、造形精度、細胞接着性を評価した。調製したセラミックレジンは、3Dプリント中の脱落や印刷不良がほとんどなく、造形できることがわかった。焼成前後の造形物をマイクロスコープで観察して寸法を比較したところ、焼成によって大きな変形がなく、均一な収縮が起こることがわかった。三点曲げ試験を行ったところ、象牙質に近い曲げ強さと弾性係数を示すことが明らかとなった。また、新規材料の表面にコラーゲンコートを行った試料に対し、ヒト歯根膜細胞の接着と増殖試験を行った。SEM観察より、ヒト歯根膜細胞は材料表面に接着することがわかった。また、CCK-8アッセイによる吸光度の測定値は時間経過とともに増加したことから、材料表面における細胞増殖が確認された。以上の結果より、新規材料は、力学的生体適合性と生物学的生体適合性をもつことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、新規材料の力学的性質、3Dプリント造形精度、生物学的生体適合性について確認できた。大きな問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ラットを使用した動物実験により、新規材料の生物学的生体適合性について検証予定である。また、歯根モデルを用いた3Dプリントの造形精度を詳細に検討する。
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