研究課題/領域番号 |
23K09238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 秀明大学 |
研究代表者 |
庭野 吉己 秀明大学, 看護学部, 教授 (40375184)
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研究分担者 |
宍戸 駿一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20850613)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
白土 翠 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60708501)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯科インプラント / 骨結合強度 / 閉経女性 / プロアントシアニジン / 酸化促進 / 抗酸化酵素 / 骨粗鬆症 / ポリフェノール |
研究開始時の研究の概要 |
プロアントシアニジン (PA) などの抗酸化ポリフェノールの経口投与による骨代謝改善作用が直接的な抗酸化作用ではなく、ポリフェノールのフェノール性水酸基の酸化を介して生成する活性酸素種(ROS)による軽度酸化ストレスが関与する可能性を明らかにすることを目的とする。本研究では、「PAなどの経口投与により生じた軽度酸化ストレスが核転写因子Nuclear factor E2-related factor 2 (Nrf2) を活性化し、各種抗酸化酵素の発現を増強することで骨粗鬆症を誘発したラットに挿入したインプラントの骨結合強度を改善する」という学術的仮説を検証するとともに作用機序を解明する。
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研究実績の概要 |
プロアントシアニジン (PA) の酸化促進作用をin vitroで検証した。PAのフェノール性水酸基の自然酸化による過酸化水素 (H2O2)の生成をAmplex Red assayにより定量するとともに遷移金属(Fe2+など)存在下および非存在下での水酸化ラジカル (・OH) の生成を電子スピン共鳴 (ESR)-スピントラッピング法により測定した。以下に示すようにPAの酸化促進作用をPA濃度依存的な過酸化水素およびFe2+存在下での水酸化ラジカル生成から確認した。
Ⅰ. 過酸化水素の生成の検証:PAを純水に溶解し、濃度1.0 mg/mLとし、希釈して0.5, 0.25 mg/mLを調製した。37℃ (サーモブロック)、遮光条件で3, 6, 24, 48 時間インキュベート後に測定した。その結果、24時間以上でPAの濃度依存的に過酸化水素を検出した。
Ⅱ. Amplex Red法でH2O2生成を確認できた24時間以上の条件でESR測定:1) PAを純水に溶解させ、濃度 1.0, 0.5, 0.25 mg/mLの溶液をそれぞれ調製した。PA溶液 966 u1;L + DMPO (スピントラップ剤、8.9 M) 34 u1;Lで混和し、37℃(ヒートブロック)、遮光、24 時間保管後にESR測定した。結果、PA濃度に関係なく微量のDMPO-OH (・OHのスピントラップ)を検出した。DMPOが自動酸化されている可能性が示唆された。2) PAを純水に溶解させ、濃度 1.0, 0.5, 0.25 mg/mLの溶液をそれぞれ調製した。37℃(ヒートブロック)、遮光、24時間保管後、PA溶液 160 u1;L + DMPO溶液 (3 M) 20 u1;L + FeSO4 (2.5 M) 20 uL 混和60 秒後にESR測定した。結果、PA濃度依存的にDMPO-OHを検出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PA水溶液が各種アッセイ系に干渉するかの基礎的検討に時間を要したため、純水中でのPAの酸化促進作用の確認はできたが、血清、人工腸液、ラット大腸(結腸)組織ホモジネートの遠心上清中での同作用を検証するまでには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
血清、人工腸液、ラット大腸(結腸)組織ホモジネートの遠心上清中でのPAの酸化促進作用を引き続き検討する。 さらに卵巣摘出ラットでの腸管バリア機能の解析とNrf2系の関与について検討する。 雌性Wistar系ラットを以下の4群に分け、手術および被験物質投与を行う;①偽手術+水投与、②偽手術+PA投与、③卵巣摘出+水投与、④卵巣摘出+PA投与。卵巣摘出術の翌日よりPA懸濁液(100mg/kg)あるいは水を4週間経口投与する。手術前および手術後1週間毎に頸部静脈より採血、血清を採取し、下記の分析を行う;LPS、生体内酸化ストレスマーカー(8-OHdG, MDA等)、生体内抗酸化マーカー(SOD, GSH等)。術後4週目に動物を安楽死させ結腸を採取し、下記の分析を行う; 1)バリアマーカータンパク質zonula occluden-1およびclaudin-1の免疫染色、2) Nrf2、HO-1およびNQO-1の遺伝子発現解析。
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