研究課題/領域番号 |
23K09274
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三原 佑介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (30779096)
|
研究分担者 |
豆野 智昭 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50845922)
池邉 一典 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70273696)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 残存歯数 / 幸福感 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔の健康と幸福感との関連について、超高齢者を対象とした長期縦断研究はない。本研究においては、自立した生活を送っている90歳1200名の超高齢者を対象として、多岐にわたると考えられる幸福感への関連因子の中で、口腔因子が、どの程度重要なのかを、AIによる多層パーセプトロンを用いて、網羅的に解析を行い、明らかにする。さらに、15年間の追跡データを用いて、機械学習によって同定された幸福感への関連因子を踏まえて、統計学的解析を用いて、超高齢期に至るまでの口腔の健康の変化が幸福感に与える影響を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
人生の最大の目的は、人生に満足し、幸福な気分で最期を迎えることである。そのため、高齢期における主観的幸福感に関連する要因を明らかにすることは非常に重要である。一方、高齢者にとって食事は、単なる栄養摂取ではなく、日々の生活において幸福感を得る重要な要素の一つであり、食事を行う上で歯は非常に重要である。そこで、われわれは、地域在住の日本人高齢者の大規模サンプルを用いて、歯の喪失と幸福感との関連を検討することを目的とした。 参加者(n=717、年齢89-91歳)は、首都圏と兵庫県の都市部と農村部の全住民から抽出した。参加者は残存歯数によって2群に分けられた(20本未満群と20本以上群)。主観的幸福度は、日本語に翻訳された生活満足度尺度(SWLS)を用いて評価した。参加者の医学的、社会経済的、身体的特徴を記録し、性格特性(神経質、外向性、経験に対する開放性、同意性、良心性)をNEO-FFIを用いて評価した。認知機能の指標として、日本語版Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)を用いた。SWLSと歯の喪失との関係を調べるために重回帰分析を行い、統計学的有意水準はp<0.05とした。 重回帰分析の結果、歯が少ないことは生活満足度の低さと関連していた。さらに、歯が少ないこと、経済状態が悪いこと、MoCA-Jスコアが高いこと、握力が低いこと、神経症スコアが高いこと、良心性スコアが低いことは、生活満足度尺度が有意に低かった。 本研究より、歯の数は幸福度と関連することが示唆された。歯科医師は、成人のための口腔健康増進プログラムを開発し、一般市民が良好な幸福を維持できるように努める必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、兵庫県伊丹市と朝来市、東京都板橋区において計203名の会場調査を実施することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き会場調査を行う予定である。並行して2023年度に収集したデータをこれまでに収集したデータと統合させ、分析を進めていく予定である。
|