研究課題/領域番号 |
23K09283
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小見山 道 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (60339223)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ブラキシズム / 咀嚼筋 / 筋電図 / 睡眠時ブラキシズム / 体性感覚 / バイオフィードバック / 治療 |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠時ブラキシズムは、睡眠中の歯ぎしりや、かみしめを主徴とする不随意な咀嚼筋活動であり、歯科補綴装置の破壊や脱離、咬合性外傷や歯根破折などの歯科的問題を引き起こす。近年、バイオフィードバックによりブラキシズムを抑制する装置が開発され、臨床応用されているが、ある種の患者では効果がないことが確認されている。本研究では、ウェアラブル筋電計を用いて側頭筋の筋活動を指標とした睡眠時ブラキシズムのイベント数を確認後、偶発的な微小電気刺激によるバイオフィードバック療法を行い、治療効果を定量的体性感覚試験やストレスマーカー、主観的睡眠評価の結果と比較することで、効果的なバイオフィードバック療法を検討する。
|
研究実績の概要 |
申請者らは,これまでブラキシズムのメカニズムの解明を最終目標として実験を進め,経頭蓋磁気刺激装置などを用いて下顎運動に関与する運動野における運動誘発電位を測定した結果,睡眠時ブラキシズムによって下顎運動に関与する運動野に神経可塑性変化が生じている可能性を明らかにしている。また,令和4年度までの研究の成果として,断眠後の回復睡眠時には、睡眠深度が深い時間が長くなり、微小覚醒の回数は減少し、睡眠時ブラキシズムの回数が減少することが明らかとなった。すなわち、深い睡眠状態が長い、より良質な睡眠を継続的に心がけることで、睡眠時ブラキシズムを減じて、これまで解決困難とされた睡眠時ブラキシズムにより発生する歯科補綴装置の破壊や脱離、咬合性外傷や歯根破折などの歯科的問題を改善できる可能性が示唆された。令和5年度はこれまでの研究を発展させ、定量的体性感覚試験の結果と睡眠時ブラキシズムに対するバイオフィードバック療法の刺激強度を比較検討することで、より治療効果の高い患者の選別と、適切な刺激強度による睡眠時ブラキシズムの抑制効果について明らかにすることを目的として研究を開始した。 令和5年度は,各種機器や実験条件の準備を進め,貼付型簡易式筋電計を1週間使用し日中および睡眠中の側頭筋筋活動を測定し,睡眠時間の単位時間(1時間当たり)の半分の時間以上に,20回以上のブラキシズムのイベント数を有する被験者を睡眠時ブラキサー群,十分なイベント数がない被験者をノンブラキサー群に分類できることを確認し,フィードバック療法の結果を検討した。また同時に各種体性感覚試験を実施し,計測を継続した。これらの結果は各種学会において発表し議論を深めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は,各種機器や実験条件の準備を進め,貼付型簡易式筋電計を1週間使用し日中および睡眠中の側頭筋筋活動を測定し,睡眠時間の単位時間(1時間当たり)の半分の時間以上に,20回以上のブラキシズムのイベント数を有する被験者を睡眠時ブラキサー群,十分なイベント数がない被験者をノンブラキサー群に分類できることを確認し,フィードバック療法の結果を検討した。また同時に各種体性感覚試験を実施し,計測を継続した。これらの結果は各種学会において発表し議論を深めた。 またストレスの程度とブラキシズムの関係を検討するために,まずは覚醒時ブラキシズムを有する患者群において,ストレスの指標となる唾液中バイオマーカーの関係性について検討し,学会発表を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で,睡眠の障害が顎口腔系の体性感覚に及ぼす影響について結論が得られている。睡眠の制限は口腔領域の体性感覚に影響へ及ぼし,フィラメントテストおよび痛覚閾値試験において,拇指球筋上の皮膚では測定時期間に有意差を認めなかったが,舌尖部の粘膜では有意差を認めたことから,手足等の皮膚と比較し,舌の粘膜は睡眠の制限による体性感覚変調の影響を受けやすいことが示唆された。また,睡眠の制限は睡眠の制限は咬合違和感閾値を減少させることが示唆されており,各種の口腔領域の体性感覚に影響へ及ぼすことが解明されている。 今後は,これまでの準備状況を踏まえて,顎口腔系の体性感覚の相違が、睡眠時ブラキシズムのフィードバック療法に及ぼす影響について、臨床的に効果を判定する実験を継続し,データを蓄積し,さらに学会発表と論文作成を行う予定である。
|