研究課題/領域番号 |
23K09289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄原 健太 東北大学, 大学病院, 助教 (50845906)
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研究分担者 |
小川 徹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
依田 信裕 東北大学, 大学病院, 講師 (20451601)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (30178644)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 歯学 / 内側・外側翼突筋 / MRI / 顎関節症 / DTI |
研究開始時の研究の概要 |
これまで我々は,拡散テンソル画像(DTI:Diffusion tensor imaging)を用いた非侵襲的な筋線維形態解析手法を開発し,咬筋各層の筋線維形態を定量的に評価した.本研究はこの手法を改変し,内側・外側翼突筋を含めた各咀嚼筋を対象に筋線維形態解析を試みる. さらに様々な下顎位における各咀嚼筋の筋線維形態変化様相を詳細に解析し,各咀嚼筋の筋 線維構造が機能分化に及ぼす影響の解明を試みる.本研究は咀嚼筋の局所痛発現機序の解明,さらには筋痛診断や治療手法の開発に資する知見を得るための基盤研究である.
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研究実績の概要 |
顎関節症の主要症候の一つである咀嚼筋群の筋・筋膜痛は,トリガーポイントの存在や,圧痛の局在などの特徴があり,これは筋内部が複雑な多羽状構造を有すること,かつ高度に機能分化していることなどに起因すると考えられている.しかし,咀嚼筋群の筋内部構造,または機能分化については未だ不明な点が多く,局所筋痛発現の原因は解明されていない.これは筋内部構造に対する適切な解析手法が欠如していることに起因する. 拡散テンソル画像(DTI:Diffusion tensor imaging)は,組織内の水分子の拡散方向を探知することで生体内の線維状走行を捉える手法であり,神経線維のみならず現在では四肢の骨格筋線維の走行解析に応用されている.当分野では,このDTIを咬筋の筋線維形態を解析に応用し,咬筋筋線維描出に適切なDTI撮像条件を同定し,咬筋筋線維走行を非侵襲的に可視化する手法を報告した.さらに異なる下顎位における咬筋内部の筋線維の配向性の変化様相を明らかにし,加えてDTIによる筋線維描出においては被験者毎に適切な解析条件の設定が必要であることを考察した. そこで今年度は,これまで咬筋にて検討したDTIによる筋線維描出手法を,より深部に位置する内側翼突筋に応用し,DTIによる筋線維描出を被験者個々で最適にするための解析パラメータの設定について検討を行った.また,その解析条件にて描出した画像をもとに,内側翼突筋の筋線維構造の特徴および異なる下顎位に伴う,その筋線維動態について解析を行った. この結果,DTIは深部に位置する内側翼突筋の筋線維を描出する手法として有用であることが示唆された.また,被験者毎に筋内部の水分子の拡散程度が異なるためと推察された.また,個体内でも個体間でも筋線維の配向性のばらつきが認められ,多羽状構造や顎顔面形態の違いがその要因として推察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は3名の健常被験者に対して超高磁場磁気共鳴画像撮像装置を用いて,3D T1-TFEおよびDTIの連続撮像を行い,解析を実施することができた.その結果,内側翼突筋の筋線維を描出する手法としてDTIが有用であることが示唆できたため,今年度の研究計画に関して,おおむね遅滞なく遂行することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究結果によって,個体内でも個体間でも筋線維の配向性のばらつきが認められ,多羽状構造や顎顔面形態の違いがその要因として推察された.今年度では,筋内の分画を考慮せずに筋全体として筋線維配向性の特徴を解析したが,今後は筋内部の分画を考慮した筋線維構造解析に発展させる計画である.
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