研究課題/領域番号 |
23K09309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山西 整 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (20397780)
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研究分担者 |
近藤 敬秀 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (90870444)
西尾 崇弘 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 口腔外科・医師 (80974253)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 嚥下活動 / 呼吸活動 / 不核縫線核 / セロトニン受容体 / NK1受容体 / swallowing / respiration / 5-HT / NK1 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、基盤研究(C)「嚥下中枢に対する5-HTとサブスタンスPによる2相性制御機構の解明」(2017年度開始)および「不確縫線核ネットワークによる呼吸と嚥下の共制御メカニズムの解明」(2020年度開始)によって、セロトニン(5-HT)とサブスタンスP(SP)を共産生する不確縫線核ニューロンが、呼吸活動と嚥下活動を相反する方向へ制御することを示す一連の結果を得た。この中枢神経ネットワークは、誤嚥を防止するための嚥下-呼吸協調を形成する可能性がある。本研究では不確縫線核を中心とした嚥下-呼吸協調の中枢神経メカニズムを包括的に解明するための研究である。
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研究実績の概要 |
これまでの研究において、中枢神経伝達物質であるセロトニンとサブスタンスPを共産生する延髄縫線核ニューロンが呼吸活動だけではなく、嚥下活動の修飾に関わっていることを新生仔ラットから抽出した延髄スライス標本および若年ラットから抽出したworking heat brainstem preparation (WHBP)の2つの研究標本によって明らかにしてきた。WHBPは延髄内の広い範囲の神経ネットワークが機能的に温存されている標本であり、スライス標本は呼吸活動と嚥下活動を誘発することができる最小の組織ユニットである。同じ実験を2つの標本に行い、その結果の相違点または類似点を分析することによって、変化の原因領域を明らかにすることができる。延髄縫線核は、呼吸中枢および嚥下中枢の両方に近接し、これら2つの研究標本のいずれにも存在する修飾回路である。今回の研究では、縫線核ニューロンから分泌されたセロトニン及びサブスタンスPによって呼吸活動と嚥下活動がどのような形で共に修飾作用を受けているかを明らかにすることを目的とする。初年度は縫線核ニューロンの呼吸に対する修飾について延髄スライス標本を用いて検討した。呼吸中枢のレベルの縫線核ニューロンに対して、酸素濃度を変化させた人工脳脊髄液を微量投与した結果、縫線核の外側領域に低酸素状態に反応するニューロンが存在することが明らかになった。外側領域の縫線核ニューロンは低酸素刺激に反応して活性を上昇した一方で、内側領域では低酸素に無反応か抑制作用を受ける細胞が存在することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現状では研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は初年度と同様に延髄スライス標本を用いて、縫線核ニューロンの嚥下活動に対する作用を検討する。加えて、嚥下活動発現時における呼吸の抑制作用の中枢メカニズムについて、その作用を媒介する神経伝達物質受容体とその回路について検討を加えたい。
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