研究課題/領域番号 |
23K09325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
井村 英人 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10513187)
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研究分担者 |
鈴木 聡 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (30468996)
平田 あずみ 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (40263587)
佐久間 千里 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (40849709)
吉田 磨弥 (大野磨弥) 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (70760718)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 口蓋裂 / 離開 / IRF6 / GREM1 / 発生 / 癒合 / 基底膜 / BARX1 |
研究開始時の研究の概要 |
「胎生期に左右の口蓋突起が癒合し、口蓋が一旦形成された後に、癒合部が解離して口蓋裂が発症する」という、従来の概念とは異なる口蓋裂の発症機構を見出し、その機序として基底膜の破断が関与し、いったん口蓋突起が癒合して形成された口蓋が後方部から解離して口蓋裂を発症することを報告してきた。本研究では、口蓋癒合後離開する過程において、口蓋後方部の形成に関与するBARX1遺伝子に着目し、申請者らの保有するヒト口蓋裂患者の血液及び組織サンプルからDNAを抽出し、BARX1遺伝子上の変異の有無を同定するとともに、口蓋癒合後離開する際のBARX1の働きを解析し、口蓋形成後の基底膜断裂による口蓋裂発生への関与を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、胎生期に左右の口蓋突起が癒合し、口蓋が一旦形成された後に、癒合部が解離して口蓋裂が発症するという、従来の概念とは異なる口蓋裂の発症機構を見出してきた。GWASにおいてゲノムワイドな有意性が示唆されている非症候性の口蓋裂における関連リスク因子として報告されたGREM1、TP3、IRF6について研究を行った。 GREM1は細胞内でBMP4前駆体に結合し、BMP4の分泌を阻止し、その結果、GREM1とBMP4の相互作用を作り出すことができる。GREM1はまた、SHH-GREM1-FGFのフィードバックループにおける役割を持つ。FGF(線維芽細胞増殖因子)は、細胞増殖、遊走、分化、有糸分裂、血管新生、胚形成、創傷治癒に関与している。FGFシグナル伝達経路は、口蓋形成を含む複数の発生過程を制御している。 我々は527人のベトナム人のNSOFC(非症候性顔面裂)の表現型について、ハプロタイプ解析と組み合わせた症例および家族ベースの評価を行った。NSOFCおよびその表現型の病因におけるIRF6、TP63およびGREM1の変異体の役割を調査した。ベトナム人におけるTP63とGREM1の顎顔面裂疾患への直接的な関与を支持するものではなかった。しかし、IRF6 rs2235375とNSCLP(非症候性口唇口蓋裂)およびNSCL/P(非症候性口唇裂および口蓋裂)との関連を示す結果として、G対立遺伝子とNSCL/Pとの有意な過剰伝達を示した。また、NSCL/Pと関連するIRF6の新規遺伝子座(rs846810)、NSCL/PおよびNSOFCと関連するrs2235375-rs846810ハプロタイプ(G-GおよびC-A)を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口蓋裂に関連する遺伝子研究において、成果が出ており、今後も成果につながることが期待されるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、口蓋裂や口唇裂の関連遺伝子について検索を進め、ヒト遺伝子との関連について調査を進めていきたいと考えている。
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