研究課題/領域番号 |
23K09328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 雅修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10392333)
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研究分担者 |
小笠原 徹 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (20359623)
安部 貴大 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20383250)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔がん |
研究開始時の研究の概要 |
口腔粘膜は食物や化学物質をはじめ多種多様な外的刺激に曝露されており、その影響により、エピゲノム異常やゲノム異常が蓄積することで口腔癌の素地が形成されると考えられる。本研究では、口腔癌の発症リスクとして、不適合歯科補綴物や不正咬合といった口腔内の慢性機械刺激とそれに伴う慢性炎症、そして慢性炎症と関わりが深いとされるエピゲノムに着目し、口腔粘膜に蓄積するDNAメチル化異常を同定し、口腔癌のリスクマーカーに応用することを目標とする。
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研究実績の概要 |
慢性機械刺激およびそれに伴う慢性炎症による口腔癌発症のメカニズム・詳細に関してはこれまで明らかにされていない。本研究においては口腔粘膜のがん化おける慢性機械刺激とそれにより惹起される慢性炎症を反映した特異的なエピゲノム異常の蓄積を同定することを目的とし、将来的に口腔癌のリスクマーカーの開発につなげることを目指している。これまで疫学的アプローチでは未だ明らかにされていない慢性機械刺激およびそれに伴う慢性炎症と口腔癌との関係性について、口腔粘膜に蓄積するエピゲノム異常を同定することにより、その関係性を分子レベルで明らかにしようと考えている。慢性機械刺激およびそれに伴う慢性炎症が口腔粘膜における発がんの場を形成し、口腔癌発症のリスクになることが明らかになれば、リスクの高い機械刺激を除去(抜歯や歯の形体修正、補綴物の修理・置換)することにより口腔癌の予防につながると考えられる。 東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科にて2010年4月1日から2022年3月31日に口腔癌と診断された50症例(目標100症例)に関して、カルテ、口腔内写真、咬合模型、デンタルX線写真、パノラマX線写真、頭部X線規格写真、CT、MRI画像等を基にして、病変と接する歯や歯科補綴物の形態、歯軸、歯列弓の幅径、顎顔面形態、顎位、歯科補綴物の種類等に関して多角的に分析を行った。慢性機械刺激の「影響が大きい」、「影響が小さい」、「判定不可能」に分類した。現在、残りの50症例に関して解析を進めている。また、現在、慢性機械刺激およびそれに伴う慢性炎症のリスクを反映する遺伝子プロモーター領域CpGアイランドをInfinium Human Methylation EPIC Bead Chipを用いてゲノム網羅的に探索するため、慢性機械刺激の影響が大きい口腔癌組織と影響が小さい口腔癌組織を選択中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カルテ、口腔内写真、咬合模型、デンタルX線写真、パノラマX線写真、頭部X線規格写真、CT、MRI画像等の解析には長時間を要するが、おおむね順調に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
口腔癌と診断された100症例(残り50症例)に関して、カルテ、口腔内写真、咬合模型、デンタルX線写真、パノラマX線写真、頭部X線規格写真、CT、MRI画像等を基にして、病変と接する歯や歯科補綴物の形態、歯軸、歯列弓の幅径、顎顔面形態、顎位、歯科補綴物の種類等に関して多角的に分析を行い、慢性機械刺激の影響の程度を分類する。また、慢性機械刺激およびそれに伴う慢性炎症のリスクを反映する遺伝子プロモーター領域CpGアイランドをゲノム網羅的に探索する。
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