研究課題/領域番号 |
23K09330
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹下 彰範 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80899005)
|
研究分担者 |
鵜澤 成一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30345285)
森田 祥弘 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30590517)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | Wnt5b / 浸潤・転移 / 細胞運動能 / 口腔癌 / Wnt signal / Rho family |
研究開始時の研究の概要 |
口腔がんでは、頸部リンパ節転移の有無は予後を大きく左右する。がん細胞の転移は、細胞運動能亢進・上皮間葉転換(EMT)の誘導が大きく関わっているが、両方のシグナル経路を制御できる因子はほとんど明らかになっていない。本研究は両シグナルの制御に関連するWnt5bに着目し、口腔がんにおけるWnt5b-frizzled receptor-Rho familyのシグナル経路を同定することで、運動能・EMTを同時に制御するシグナル経路をin vitro、in vivoの両方の観点より明らかにする。Wnt5bのシグナル伝達経路に多面的なアプローチを行うことで口腔がんの転移に対する新たな治療法への基盤確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
癌が生命を脅かす最大の要因は、癌の浸潤・転移である。口腔扁平上皮癌は頻繁に頸部リンパ節に転移し、その有無が予後に大きな違いをもたらすことから、頸部リンパ節転移を制御することは極めて重要である。癌の転移は、いくつかの段階やシグナル伝達などが複雑に関与するが,癌の転移が起こる上では、がん細胞の運動能が重要な因子と考えられる。癌細胞の運動能亢進においては低分子量Gタンパク質であるRho familyを中心としたアクチン細胞骨格のリモデリンングを促すシグナル伝達系の活性が重要である。ここで、がん細胞の増殖、運動能制御、転移巣形成に関与する代表的なシグナル伝達経路として、Wntシグナル経路がある。Wntシグナル伝達経路は、beta-catenin経路とbeta-catenin非依存性経路の二種類が報告されており,beta-catenin非依存性経路は、Rho familyとシグナル伝達を行うことで、主として細胞骨格や運動を制御するとされる.本研究では,beta-catenin非依存性経路を活性化するWnt5bに着目し、口腔がんにおけるWnt5b -Rho familyのシグナル経路を同定することで、細胞運動能を制御するシグナル経路をin vitro、in vivoの両方の観点より明らかにする。 令和5年度、in vitroの実験系において複数のヒトOSCC細胞株(HSC-2・HSC-3・HSC-4・SAS・Sa3・Ho-1-u1・SCCKN・Ca9-22)におけるWnt5bの発現量をRT-qPCRで定量的に解析し,細胞株によるWnt5bの発の違いを確認した.Wnt5bの発現が低い細胞株を中心にそれらの細胞に対しRecombinant Wnt5bによる刺激によるアクチン細胞骨格再編の変化や細胞運動(遊走能,浸潤能)の変化ならびにRho familyの発現変化について検討をおこなっている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験設備の一部変更などにより,実験条件の一部変更等を検討を要したため
|
今後の研究の推進方策 |
Wnt5bによる刺激で誘導される運動制御因子であるRho Xを同定し,RhoXの発現が低いOSCC株において、Rho X過剰発現株の作成を行い運動能(遊走能・浸潤能)の変化の検証を行う.
|