研究課題/領域番号 |
23K09337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
宮本 昇 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80749565)
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研究分担者 |
宮崎 晃亘 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10305237)
金関 貴幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50531266)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | HLAリガンドーム解析 / 免疫療法 / ネオアンチゲン / 口腔がん / プロテオゲノミクス |
研究開始時の研究の概要 |
免疫療法の新たな標的因子としてネオアンチゲンが注目され、従来の抗原を標的とした治療を上回る有効性が確認されている。ネオアンチゲンの同定にはin silicoで配列を予測する方法が広く行われているが、HLA結合モチーフを有するペプチドは常に提示されるわけではなく、予測されたペプチドが実際にはHLAに提示されていない問題やT細胞免疫応答を誘導しない問題が挙げられる。これらの問題を解決する方法としてマススペクトロメトリーを用いたプロテオゲノミクスHLAリガンドーム解析法が挙げられる。今回、我々が培った解析技術を活用し、口腔がんにおけるネオアンチゲンのHLA提示と患者T細胞反応の実像を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ネオアンチゲンとは、がん細胞の遺伝子変異を含む抗原を指す。ネオアンチゲンは正常細胞には存在しないため、ネオアンチゲン反応性のT細胞は胸腺ネガティブセレクションで除去されず免疫寛容にはならず、免疫原性の高い抗原になる。免疫療法では標的が正常細胞にも発現しているとその細胞を攻撃してしまうため対象とならないが、ネオアンチゲンは腫瘍特異的であるためこの条件を既に満たしており、理想的な標的因子である。ネオアンチゲンの同定にはin silicoでペプチド配列を「予測」する方法が最も多く行われているが、実際にはHLAに提示されていない場合やT細胞免疫応答を誘導しないことが問題点として挙げられる。一方で、HLAリガンドーム解析法は、がん組織やがん細胞に解析対象のHLA特異的抗体を反応させ、免疫沈降した後にマススペクトロメトリーにて網羅的に解析する方法である。同定されるペプチド群は全て実際に提示されていることが最大の特徴である。HLAリガンドーム解析で対象となる遺伝子は網羅的解析で検出されたもののみであり、従来の方法ではデータベース登録されている既知のタンパク配列のみを検索対象としていた。そこで我々は、次世代シーケンサー解析を加える「プロテオゲノミクスHLAリガンドーム解析」を行うことで、遺伝子情報をベースに解析を行い、データベースにない配列も解析可能になり、ネオアンチゲンの同定が可能になった。今回、我々が培った解析技術を活用し、口腔がんにおけるネオアンチゲンのHLA提示と患者T細胞反応の実像を明らかにする。さらに免疫チェックポイント阻害剤(ICI)効果を検証し、口腔がんICI治療における新たなバイオマーカーの確立を目指す。がん組織及び血液の検体は採取済みであったが、他種の悪性腫瘍で蓄積された情報を元に、条件を変更し再収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
条件に合った解析用の検体サンプルの収集、解析を新たに行っているため
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今後の研究の推進方策 |
サンプル収集の後、プロテオゲノミクスHLAリガンドーム 解析を行い、口腔がんにおけるネオアンチゲンのHLA提示と患者T細胞反応の実像を明らかにする
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