配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究実績の概要 |
プレクチンは,ほぼすべての哺乳類の細胞に見つかる巨大なタンパク質で,プレクチンは,異なる細胞を構造的に連結している細胞膜のジャンクションと細胞骨格とを結合する.これらの異なるネットワークを結び付けることによって,プレクチンは組織の機械的完全性や粘弾性の維持に重要な役割を果たしている.われわれはこれまで悪性黒色腫細胞においてこのプレクチンが,細胞接着に必須であることを報告してきた(Mizuta K et al., BMC cancer, 2022). がんの浸潤と転移は,がん細胞がもともとの腫瘍から離れて他の組織や臓器に拡がるプロセスであり,生命予後に直結する.これらのプロセスには,プレクチンなどの細胞接着因子と呼ばれる分子が重要な役割を果たすことから,がん治療において、これらの接着因子や関連するシグナル経路を標的とすることで,がんの浸潤・転移を制御する治療戦略が研究されている.そこで,今年度はヒトのさまざまながんにおけるプレクチンの発現量の多寡と生命予後を検討した.プレクチンの発現が高い方が生命予後が悪いのが, Lung cancer, Colorectal cancer, Head and Neck cancer, Liver cancer, Pancreatic cancer, Renal cancer, Testis cancer, Cervical cancer, Endometrial cancer, ovarian cancer逆にプレクチンの発現が低い方が生命予後が悪いのがMelanomaまた,発現量と予後と統計学的に関連がないのがGlioma, Thyroid cancer, Stomach cancer, Urothelial cancer, Prostate cancer, Breast cancerであることが明らかとなった.
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