研究課題/領域番号 |
23K09349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 伸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70323699)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔がん / 舌がん / 頸部転移 / FDG-PET / テクスチャー解析 / 予後予測 / テクスチャ解析 / PET/CT / 口腔癌 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌治療前に予後を正確に予測することは術式決定や術後患者管理において非常に重要な意味を持つ。PET/CT検査においても、薬剤集積に着目した手法やテクスチャ解析を用いた手法による予後予測に関して報告されており、予後に関連すると考えられる因子が明らかにされている。一方で、各因子を統合的に評価した報告は少なく、我々は予後不良となる確率が個々の症例で術前に分かれば、患者に特化したオーダーメイドの治療戦略立案、術後患者管理が可能になると考えられる。 本研究は、これらの因子を統合的に取り扱い、予後予測に利用可能なロジスティック回帰式を構築し、個々のリスクを数値化することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の最終目的は個々の口腔がん患者の予後不良リスクを数値化することで、本研究ではFDG-PET画像を用いて、口腔がん患者における予後不良リスクの数値化を探ることである。FDG-PETによる患者予後予測には、SUVmax, SUVmean, SUVpeakなどのSUV指標、代謝腫瘍体積(MTV)や総腫瘍代謝(TLG)といった腫瘍体積を考慮した指標が予後因子として検証される。口腔がん診断におけるテクスチャ解析による予後予測の報告の多くはCT画像を利用した報告で、FDG-PET画像のテクスチャ解析による報告は数少ない。従来の報告から予後に関連すると考えられている上記の指標にテクスチャ解析による画像特徴量の指標を加えることで、より正確な予後予測が可能であると考えられる。本研究では、研究対象の口腔がん患者を分析群と検証群の2郡に分割し、分析群患者で得られた知見を検証群患者に当てはめて、この有用性の検証を試みる。 これまでの研究進捗状況は、口腔がん患者を舌がん患者に絞って以下の点まで進行した。 ①対象となる口腔がん患者の抽出および振り分け:舌がん患者150名を抽出し、分析群100名および検証群50名に振り分けた。 ②対象患者の臨床データの取得および解析:全対象患者の年齢、性別、原発部位、病期分類、病理組織所見、患者予後(転移および再発の有無)などの臨床情報を院内電子診療録より取得した。 ③対象患者(分析群)のFDG-PETパラメータの計測:対象患者のFDG-PET画像から、原発病変のSUVmax、SUVmean、SUVpeak、原発病変のMTVおよびTLGを算出した。さらに対象患者のPET画像のテクスチャ解析から、頸部転移あり群となし群の2群間で異なる画像特徴量を抽出した。これらの因子と頸部転移との関連性を単変量および多変量解析で評価し、予後予測に利用可能と考えられる因子を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提出した研究計画書では、本年8月までに上記③のステップ終了予定としたが、現段階でここまでは概ね終了していると考えている。検証群症例の解析も同時進行で行っており、概ね計画通りに進捗していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
現状を踏まえ、今後は計画通りに、以下のステップに進めていく予定である。 ④予後不良となる可能性を推定するための予後予測式の構築 分析群患者データから得られたこれまでの結果から、予後に関連すると推測された臨床的および画像的因子に対してロジスティック回帰分析にて解析し、各因子の予後不良因子としてのオッズ比および偏回帰係数を算出する。各因子の偏回帰係数および実測値を前述のロジスティック回帰式に代入することで、各因子を総合的に加味した予後不良となる可能性(割合)を推定するための予後予測式を構築する。 ⑤検証群患者による予後予測能の検証 検証群患者において、上記で得られた予後予測式の計算に必要な因子を算出または評価する。これらを予測式に代入し、予後不良の可能性を数値化する。得られた結果と実際の予後との対比を行い、数値化による予後予測が可能であったかを検証する。
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