• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

島皮質から三叉神経脊髄路核尾側亜核への下行性投射の慢性痛に対する役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K09363
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関日本大学

研究代表者

中谷 有香  日本大学, 歯学部, 講師 (60781391)

研究分担者 小林 真之  日本大学, 歯学部, 教授 (00300830)
加藤 成樹  福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90443879)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード島皮質 / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 慢性痛
研究開始時の研究の概要

慢性痛モデルを使用し,興奮性ニューロンと抑制性ニューロンを区別して三叉神経脊髄路核尾側亜核(Sp5C)の局所神経回路を構築するシナプス伝達特性に焦点をあて,遺伝学的手法を組み合わせてSp5Cへ投射する島皮質ニューロンを特異的に活性化し,電気生理学的,行動学的解析によって慢性痛モデルにおけるSp5Cの局所神経回路の解明ならびに島皮質からの下行性出力が及ぼすSp5Cの興奮性出力応答の影響」について解明することを目的とする。

研究実績の概要

口腔顔面領域に生じる「痛み」感覚は、末梢に入力した侵害情報が主に延髄の三叉神経脊髄路核尾側亜核(Sp5C)へ入力し、視床を経由したのち一次体性感覚野へ投射することで認知される。一方、痛みの情動的側面に関与する島皮質は、慢性痛患者において侵害刺激に対して活動が亢進することが報告されている(Shinozaki et al.、 2016)。これまでに申請者は、正常ラットにおいて、島皮質からSp5Cに直接投射するニューロンを特異的に活性化させると痛み閾値が低下することを明らかにした(Nakaya et al.、 Pain、 2022)。しかし、慢性痛モデルにおいてこの下行性投射が痛みの増強に関与しているかは不明である。
そこで本研究では、上顎神経結紮(CCI)による慢性痛モデルを作製し、Sp5Cニューロンにおける島皮質からSp5Cへの投射経路に可塑的変化が生じる結果、痛みが増強する可能性を検討、新規慢性痛治療開発の一基盤となることを目標とする。
本年は、CCIによる慢性痛モデルを作製し、急性脳スライス標本を作製し、Sp5Cにおける抑制性ニューロンから興奮性ニューロンに対するシナプス応答をホールセル・パッチクランプ法にて記した。その結果正常ラットに比較してシナプス応答が誘発される頻度が高い傾向を記録した。この記録は、今後島皮質ニューロンにチャネルロドプシン2(ChR2)を発現させ、Sp5Cからシナプス応答を記録した際にその入力が痛みを増強するのか又は抑制に働くのかについて検索するために必要な所見である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在慢性痛モデルを作製し、急性脳スライス標本から記録することが可能な環境にある。抑制性ニューロンと興奮性ニューロンからの同時記録を行い、抑制性シナプス伝達特性の検討中である。現在抑制性ニューロンから興奮性ニューロンに対する抑制性のシナプス応答を記録した。その中で3例中2例は正常ラットに比較して失敗率が少ない。しかしながら、例数が少ないので今後増やしていく必要がある。

今後の研究の推進方策

今年度行ってきたSp5Cにおける局所回路についてさらに検索を進めると同時に、VGAT-VenusラットにChR2およびそれを標識する蛍光タンパクのmCherryを島皮質ニューロンに発現させる。加えて、Sp5Cにおける投射ニューロンを同定するために逆行性トレーサーであるコレラトキシンB(CTB)を腕傍核へ注入し、CCIを行う。7-14日後にSp5Cを含む急性脳幹スライス標本を作製し、Sp5Cにおける抑制性ニューロンとCTB陽性である投射ニューロンから同時にホールセル・パッチクランプ法にて膜電位を記録し、島皮質から投射している神経終末に光刺激によって誘発される興奮性ならびに抑制性シナプス応答を記録し、振幅や潜時を解析し、shamと比較する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Insulin potentiates inhibitory synaptic currents between fast-spiking and pyramidal neurons in the rat insular cortex2023

    • 著者名/発表者名
      Nakaya Yuka、Kosukegawa Satoshi、Kobayashi Satomi、Hirose Kensuke、Kitano Kouhei、Mayahara Kotoe、Takei Hiroki、Motoyoshi Mitsuru、Kobayashi Masayuki
    • 雑誌名

      Neuropharmacology

      巻: 238 ページ: 109649-109649

    • DOI

      10.1016/j.neuropharm.2023.109649

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Insulin facilitates synaptic transmission via gap junctions between fast-spiking interneurons in the rat insular cortex2023

    • 著者名/発表者名
      Kosukegawa S, Nakaya Y, Kobayashi S, Kitano K, Matsumura S, Ogisawa S, Zama M, Motoyoshi M, Kobayashi M
    • 雑誌名

      Journal of Oral Science

      巻: 65 号: 2 ページ: 77-80

    • DOI

      10.2334/josnusd.22-0438

    • ISSN
      1343-4934, 1880-4926
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Mu-opioid receptor-dependent modulatory mechanisms of projections from the medial prefrontal cortex to the ventrolateral periaqueductal gray2024

    • 著者名/発表者名
      Yuka Nakaya, Masayuki Kobayashi, Hiroyuki Neyama, Shigeki Kato, Kazuto Kobayashi, Yilong Cui
    • 学会等名
      日本生理学会 第101回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] インスリンはPI3K-PKB/AKtシグナル経路を介してラット島皮質抑制性シナプス伝達を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      中谷有香、小助川聖史、小林理美 、廣瀬健佑 、北野晃平、小林真之
    • 学会等名
      第43回日本歯科薬物療法学会総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] インスリンはPI3K-PKB/AKtシグナル経路を介してラット島皮質抑制性シナプス伝達を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      中谷有香、小林理美、北野晃平、廣瀬健佑、小林真之
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The activation of insular cortical projections to the trigeminal spinal subnucleus caudalis regulates pain-related behaviors in rats2023

    • 著者名/発表者名
      Yuka Nakaya, Kiyofumi Yamamoto, Masayuki Kobayashi
    • 学会等名
      Neuroscience 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] インスリンによる島皮質抑制性シナプス伝達増強に対するシナプス前細胞PKB/Akt経路の関与2023

    • 著者名/発表者名
      中谷有香、小林理美 、北野晃平 、小林真之
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会・第44回日本臨床薬理学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi