研究課題
基盤研究(C)
本研究では、これまで当研究室で確立したインテグレーションフリー・フィーダー細胞フリー・完全無血清培養系にて末梢血由来単核球(PBMC)から人工多能性幹細胞(hiPSC)を誘導する技術を用い、口腔癌患者に対して当科で行っている活性化リンパ球を用いた免疫細胞治療に準じた培養法を応用し、口腔癌患者よりhiPSCを誘導後、細胞傷害活性の高いリンパ球に再分化させ大量培養し口腔癌の免疫細胞治療への応用を目指す。また同技術を応用し、口腔がんの病態解明のため初期化阻止因子の同定やiPS細胞化抵抗性の評価を行い、新規分子標的治療薬の開発や新規治療戦略の開拓を目指す。
本研究では、これまで当研究室で確立したインテグレーションフリー・フィーダー細胞フリー・完全無血清培養系にて末梢血由来単核球(PBMC)から人工多能性幹細胞(hiPSC)を誘導する技術を用い、口腔癌患者に対して当科で行っている活性化リンパ球を用いた免疫細胞治療に準じた培養法を応用し、口腔癌患者よりhiPSCを誘導後、細胞傷害活性の高いリンパ球に再分化させ大量培養し口腔癌の免疫細胞治療への応用を目指した。①PBMC由来hiPSCからCD34陽性CD45陽性造血前駆細胞への分化誘導法の検討単一にしたPBMC由来hiPSCを96well低吸着丸底プレートに播種し、無血清培地に造血前駆細胞誘導サイトカインを添加し胚葉体を形成させた。hiPSC播種細胞数と添加するサイトカイン濃度の最適化条件について検討し、FACS解析にて造血前駆細胞への分化誘導状態を確認した。②CD34陽性CD45陽性造血前駆細胞の活性化リンパ球への分化誘導法の検討胚様体形成10日目の胚様体を24穴プレートに再播種し、当研究室で確立した活性化リンパ球誘導法に準じて培養4週間後に各種抗体を用いてFACS解析を行い、活性化リンパ球への分化誘導状態を確認した。同時に未分化マーカー陽性細胞の残存の有無について評価し、純度の高い活性化リンパ球の誘導法について検討した。
2: おおむね順調に進展している
PBMC由来hiPSCからCD34陽性CD45陽性造血前駆細胞への分化誘導法について、至適hiPSC播種細胞数とサイトカイン濃度の最適化条件について検討し、最適な誘導条件に基づきn数を増やして検証することが出来た。それらの至適誘導条件をもとに、CD34陽性CD45陽性造血前駆細胞の活性化リンパ球への分化誘導法の検討を行うことができた。
今後は口腔扁平上皮癌細胞(OSCC)の初期化およびiPS細胞化抵抗性、初期化阻止因子同定のため、OSCCにSeVdpを用いて初期化4遺伝子を導入しhiPSCの誘導を試みる予定である。OSCC株を用いてiPS化抵抗性を指標として、各種阻害剤を添加し評価したい。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 5件)
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