研究課題/領域番号 |
23K09400
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
川原 健太 熊本大学, 病院, 助教 (90732735)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔癌 / シスプラチン耐性 / ミトコンドリア / カルシウム / オルガネラ |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌においてシスプラチンによる細胞内やミトコンドリア内へのCa2+誘導が、どのような機序で起こり、どのように抗癌剤耐性に寄与しているのかは分かっていない。本研究では、抗癌剤耐性機構をCa2+流入経路であるストア依存性Ca2+チャネル(SOCCs)と電位差依存性Ca2+チャネル(VDCCs)の2経路から明らかにし、そのクロストークやミトコンドリアの融合と分裂がどのように抗癌剤耐性に寄与するのかを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、口腔癌におけるシスプラチンへの抗癌剤耐性機構の解明をCa2+フラックスの制御ならびにミトコンドリアの融合、分裂という形態学的変化の観点から解明を目指すことである。また本研究によって、治療抵抗性のメカニズムが明らかとなれば、抗癌剤をより効率的に作用させることが可能となり、癌治療における生命予後の改善や、臓器・機能温存にもつながることが期待される。 複数の口腔扁平上皮癌細胞株にシスプラチンを曝露させたのち、IC:50をもとにシスプラチン感受性株:SAS、HSC-2と耐性株:HOC-313、OSC-19の計4株を実験に使用した。これまでの実験結果より、シスプラチンを曝露させるといずれの細胞株も早期ではCa2+が細胞内ならびにミトコンドリア内へ流入することが確認できているが、曝露後24時間経過したのちにCa2+を染色すると感受性株ではミトコンドリア内にCa2+が蓄積し、耐性株ではほぼ定常状態に戻っているという結果を得ている。 またCa2+の流入経路を確認したところ、感受性株ではSOCE(store-operated calcium entry)依存的に、耐性株ではVDCE(voltage dependent calcium entry:電位差依存的)依存的に流入していた。SOCEによるCa2+の流入は、小胞体とミトコンドリアのコンタクトが重要といわれているため、電子顕微鏡で確認したところ、感受性株では明らかに小胞体とミトコンドリアの近接が認められた。逆に耐性株にはおいては小胞体とミトコンドリアの近接は認めず、一定の距離を保っていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に経過している。 シスプラチン耐性株であるOSC-19細胞株を用いてin vivoの実験を行っているが、ヌードマウスに播種させたところ、生着に2-3か月時間を要したため、vivoの実験が少し当初より遅れている。今後はPDXより樹立した治療抵抗性の細胞を使用して同実験を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
薬剤によりミトコンドリアへのCa2+の蓄積を確認しているため、今後はその時のミトコンドリアの形態学的変化や、ミトコンドリア、小胞体などのオルガネラコンタクトを確認する予定である。またミトコンドリアの融合と分裂という観点からも、代謝に関わる物質もみていく予定である。
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