研究課題/領域番号 |
23K09431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究院, 特任准教授 (60261319)
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研究分担者 |
大島 昇平 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374546)
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60451449)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 身体抑制 / オキシトシン / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
幼少期に身体抑制を経験したラットは成長後にストレス反応性が亢進し、不安行動も増加する。本研究の目的は身体抑制を経験したラットにOXTを脳内投与することにより、成長後のストレス反応性亢進や不安行動が緩和されるという仮説を検証することである。
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研究実績の概要 |
幼少期に身体抑制を経験したラットは成長後にストレス反応性が亢進し、不安行動も増加する。最近、子供との触れ合いで“愛情ホルモン”としてオキシトシン(以下、OXT)が母親体内で分泌されることが証明されている。一方、OXTの脳内伝達物質としての役割が示されている。本研究の目的は身体抑制を経験したラットにOXTを脳内投与することにより、成長後のストレス反応性亢進や不安行動が緩和されるという仮説を検証することである。令和5年度は以下の実験実験I-1、I-2を行った。 実験I 幼少期身体抑制の脳内OXTに対する影響(実験I-1、I-2):以下の2つの実験群を作製する。・実験群:生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回行った後、個別ケージで4週間飼育した群。・対照群:身体抑制を経験しないで個別ケージで飼育した群。 実験I-1.「幼少期身体抑制の経験は、下垂体後葉におけるOXT放出に影響するか?→OXT代謝回転を調べる」【実験方法】in vivo microdialysisにより灌流液を採取し、OXT量を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、OXT代謝回転を2群間で比較する。【実験結果】実験群の下垂体後葉におけるOXT放出量は対照群に比較して、有意に少なかった。 実験I-2.「幼少期身体抑制の経験は、視床下部におけるOXT合成に影響するか?→OXTmRANAを調べる」【実験方法】室傍核を含む連続切片を作製し、in situ hybridyzationによりOXTmRNAの発現を定量化し、2群間で比較する。【実験結果】実験群の視床下部におけるOXTmRNAの発現は対照群に比較して、有意に少なかった。以上の結果より、幼少期の身体抑制経験はラット脳内のOXT産生に影響することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに研究を進めていけている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の実験Iに続き、以下の実験Ⅱ(OXT脳内投与のラット行動に対する影響)を計画している。具体的には、実験Ⅱ-1として、「幼少期身体抑制の経験後、OXT視床下部投与は成長後の睡眠および摂食行動リズムに影響するか?」を調べるために、テレメーターを用いた行動量の計測を行う。さらに、実験Ⅱ-2として、「幼少期身体抑制の経験後、OXT視床下部投与は成長後の生活リズムを司る時計遺伝子の発現量に影響するか?」を調べるために、in situ hybridyzationを用いて、視床下部視交叉上核のり時計遺伝子(per1)の発現量を測定する。
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