研究課題/領域番号 |
23K09437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
泰江 章博 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 徳島大学専門研究員 (80380046)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 歯牙欠損症 / Msx1 / 歯の発生 / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
Msx1遺伝子は、多数歯欠損症の原因遺伝子として変異の報告も多く、また機能ドメインも複数あり、in vitro系では古くより研究されている。本研究で、更にドメイン単位での機能喪失によるin vivo機能解析とその表現型スペクトラムとの関連を中間表現型である遺伝子発現プロファイル変化を介して詳細に解明するin vivo 分子機能アノテーションから機能アノテーション付けを行う。これにより、散発例でも変異か1塩基多型かの判定が可能となるだけでなく、同手法を応用することで種々の遺伝子機能や疾患病態の分子的理解が深化され、これに基づく個別化医療の実現へ発展し、今後の遺伝子診断の信頼性向上にも繋がる。
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研究実績の概要 |
顎顔面領域など、上皮・間葉相互作用による転写カスケードに発生を依存する組織の発生過程には多くの転写因子と下流遺伝子が関与し、それらの異常から様々な疾患が生じる。このような疾患原因遺伝子のin vivoでの機能的意義付けには従来KOマウスによる遺伝子無効化が用いられてきたが、臨床症例で認める変異は常に機能の完全喪失には直結せず、構造―機能相関が症例毎の疾患表現型の多様性に繋がっていると予想される。本研究では、古くからよく研究されている多数歯欠損症の原因遺伝子Msx1に焦点を当て、ドメイン単位での機能喪失と表現型スペクトラムとの関連を中間表現型である遺伝子発現プロファイル変化を介して詳細に解明するin vivo 分子機能アノテーションを行うことで、疾患病態の分子的理解を深化させるとともに、これに基づく個別化医療の実現への発展を目指すこととした。 Msx1のC末端領域の欠失体は既に複数維持しているので、ほとんど所持していなかったN末端領域欠失マウスを新規作製し、表現型(歯の形態・大きさ、歯数異常・体長・骨形態計測)を行った。N末端の一部欠失体では歯数に全く影響が見られなかったが、大きく欠失したものに関しては、そのホモ接合体で成長発育不全ならびに歯数減少が認められた。 また、ヒトで歯牙欠損症の原因であると報告のあるmissense変異のKIマウスもいくつか作製でき、その疾患責任性の確認を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Msx1のC末端領域の欠失体を複数維持している一方、N末端領域欠失マウスは少なかったため、新規作製し、表現型(歯の形態・大きさ、歯数異常・体長)を行ってきた。得られたMH1N/Cドメイン欠損マウスでは、そのホモ接合体で体長の減少ならびに下顎切歯の欠損を認めた。 一方で、過去にヒトで報告のあったmissense変異(A221EとA219T)のKIマウスも作製できた。A219Tのホモ接合体では下顎切歯の低形成を認めたが、A221Eのホモ接合体では異常が認められず、この変異のヒトにおける歯牙欠損症の責任性が疑われた。 以上のことから、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
各変異マウスの胎生12.5, 13.5, 14.5, 15.5日胚における下顎第一臼歯歯胚を摘出し、RNA抽出後、次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析による発現量の定量・比較を行い、経時的に変動する遺伝子を各ステージで同定し、表現型の有無や多様性と比較する。発現変動の見られた代表的な遺伝子の発現量・様相をreal-time qPCRとin situ hybridization法にて再確認する。 Msx1遺伝子N末端領域欠失マウスならびにKIマウスの作製wを継続する。
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