研究課題/領域番号 |
23K09440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉田 教明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (40230750)
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研究分担者 |
吉見 知子 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (20805973)
古賀 義之 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (50175329)
濱中 僚 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70805986)
森内 絵美 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (70866607)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | モーションキャプチャー / 顎運動 / 筋電図 / 咀嚼 / 咀嚼機能 / 嚥下機能 / 顎口腔機能 / モーションキャプチャ / 摂食嚥下障害 |
研究開始時の研究の概要 |
現代において、摂食機能に障害を有する児童が増加傾向にあるとの報告があり、発育期における咀嚼・嚥下機能の発達や障害発症のメカニズムについての研究が注目されている。本研究では、咀嚼・嚥下障害の動物実験モデルとして、パーキンソン病モデルマウスを作製し、神経伝達物質の投与下における6自由度顎運動ならびに舌運動、筋活動などの生体情報を同時記録することにより、軟食化と脳内神経伝達物質の放出異常が単独的、あるいは相乗的に咀嚼・嚥下機能の発達・障害に及ぼす影響を解明し、摂食。嚥下障害の早期治療法開発の研究基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
研究手法として、上顎骨の形態情報をマイクロX 線CTから構築し、モーションキャプチャー座標系に座標変換することで、上顎骨に対する相対的な下顎骨の運動を再現することで、咀嚼時の上下顎臼歯の咬合接触の評価を可能とした。3台の高速度カメラとモーションキャプチャーシステムを組み合わせることで、光学式6自由度顎運動計測システムを完成させ、高精度多点同時計測を可能とした。これにより、下顎頭の滑走運動や臼歯部における食物の粉砕臼磨運動時の上下顎臼歯の咬合接触動態の可視化などのダイナミックイメージングを実現できた。また、顎運動と同期した咀嚼筋筋電図を記録するシステムも完成し、筋活動に対応した下顎の任意点(臼歯、切歯、下顎頭点など)の運動の解析、さらには咀嚼運動中の咬合接触の視覚化が可能となり、臼歯の運動軌跡に基づいて、上下顎臼歯の咬合接触開始から臼歯が離開するまでを咬合相として特定できた。下顎頭の運動軌跡に着目すると、開口相後半において、作業側の下顎頭は前方に移動し、平衡側の下顎頭は後方に移動すること、閉口相後半において、平衡側咬筋は活動せず、作業側咬筋が活動することが明確となった。1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンを腹腔内投与したモデルマウスを対象に、左右側下顎頭運動の同調性や上下顎臼歯の咬合接触動態など顎運動の動的最適制御機構を詳細に解析した結果、前頭面および矢状面から観察した咀嚼運動経路が不安定で、Gape sizeが減少した。Cycle durationについては、Total cycle lengthが増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パーキンソン病モデルマウスの作製にあたり、その表現型、顎運動パターンの確認に時間を要することとなり、研究の進行に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
嚥下運動においては、嚥下時における下顎・舌・喉頭の運動と各筋の発火タイミングを解析し、顎舌協調運動と嚥下誘発のタイミングとの連動性の変化を評価する。また、ドーパミン入力時の嚥下の誘発閾値の変化、すなわち嚥下反射の増強効果を評価し、ドーパミン作動薬投与により嚥下誘発が促進されるという仮説を検証する。
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