研究課題/領域番号 |
23K09450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
齊藤 陽子 朝日大学, 歯学部, 教授 (30404487)
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研究分担者 |
齊藤 一誠 朝日大学, 歯学部, 教授 (90404540)
高林 秀次 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (70372521)
佐藤 正宏 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, ゲノム医療研究部, 共同研究員 (30287099)
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 低ホスファターゼ症 / ALP / ゲノム編集 / モデルマウス / HPP |
研究開始時の研究の概要 |
低ホスファターゼ症 (HPP) 患者は、易骨折・呼吸不全などの全身的な問題だけでなく、嚥下・構音障害などの口腔機能の問題もあり、乳歯の早期脱落を契機に発覚する場合が多く、歯科が重要な役割を果たし得る遺伝子性の疾患である。今回、我々が独自に開発した生体内での受精卵のゲノム編集技術(以下、i-GONADと呼ぶ)を用い、ALP遺伝子欠損マウスをHPPモデル動物として新規に作製し、これを用いて正常ALP遺伝子導入HPP細胞の細胞移植を介したHPP治療の可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
低ホスファターゼ症 (HPP) 患者は、易骨折・呼吸不全などの全身的な問題だけでなく、嚥下・構音障害などの口腔機能の問題もあり、何より乳歯の早期脱落を契機に発覚する場合が多く、歯科が重要な役割を果たし得る遺伝子性の疾患である。そこで本研究では、我々が 独自に開発した生体内での受精卵のゲノム編集技術が可能なi-GONADを用いて日本人に多発するTNSALP遺伝子変異(c.1559delT変異およびp.F327L変異)をマウスゲノムに導入し作製したノックイン(KI)マウスが、ヒトと似たHPP様の症状を呈するマウス(いわゆる、HPPモデルマウス)になり得るか、このようなHPPモデルマウスの体内に正常型TNSALP遺伝子を有するHPP患者由来細胞を移植した場合、HPP様の症状が緩和されるかどうかを検討すること、ALP遺伝子欠損マウスをHPPモデル動物として用い、正常ALP遺伝子導入HPP細胞の細胞移植を介したHPP治療の可能性について検討することを目的とした。 i-GONAD法とは、端的に言えば「ゲノム編集胚を直接卵管内で誘導する方法」である。麻酔下の妊娠マウスの卵管を外部(皮膚上)に露出させ、実体顕微鏡による観察下、呼気制御のガラスピペットでCRISPR/Cas9系ゲノム編集成分を含む液を卵管膨大部内に注入後、直ちに卵管全体をピンセット型電極で押さえ、電気穿孔させた (electroporation)。その結果、卵管内に注入されたゲノム編集成分が電気ショックにより卵管内に存在する受精卵ゲノムの特定部位において変異が誘導された。電気穿孔後、卵管を体内に戻して切開部を閉じ、覚醒させた。i-GONAD後20日目で母体は新生仔を出生した。その60~100%がゲノム編集マウスとして回収することができ、現時点でヘテロではあるが、メスのTNSALP遺伝子ノックアウトマウスの作製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である本年は、主にTNSALP遺伝子ノックアウトマウスの作製に主眼を置いた。HPPの主因は、ALPにおいて特に組織非特異的ALP (TNSALP) をコードする遺伝子の変異であり、本邦ではc.1559delT変異、p.F327L変異が多いといわれている。HPPの根本的治療として考えられるのは、患者の受精卵をCRISPR/Cas9などのゲノム編集技術を用いて正常型のTNSALP遺伝子に変更することであることから、本研究ではi-GONAD法により特定の遺伝子破壊を行いノックアウトマウスの作製を試みた。現時点でB6系統とICRマウスの2種についてノックアウトマウスの作製が順調に進行しており,塩基配列を確認している。i-GONAD法は、ゲノム編集胚を直接卵管内で誘導する方法であることから、テクニカルな問題による停滞も予想されたが、現在のところ概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現時点でヘテロではあるが、TNSALP遺伝子ノックアウトマウスの作製に成功していることから、今後は、ホモなTNSALP遺伝子ノックアウトマウスの作製を行い、最終的にはヒトにおける低ホスファターゼ症患者と同様にALP活性が低下していることの確認を行い、ヒトと同様の症状が発生しているかどうかを判断したい。これらが確認でき次第、TNSALP KIマウス作製において、変異遺伝子のホモ型・ヘテロ型についても比較検討予定である。
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