研究課題/領域番号 |
23K09484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (50553153)
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研究分担者 |
作田 哲也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (20284888)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Candida albicans / 日和見感染 / 日和見感染症 / カンジダ菌 |
研究開始時の研究の概要 |
未曽有の世界的パンデミックを引き起こしたSARS-Cov-2感染症は多くの尊い人命を犠牲にした。SARS-Cov-2感染に日和見感染症を併発した場合、重症化率、死亡率はさらに上昇する。今後も未知の病原性微生物の襲来は容易に推察され、今回のSARS-Cov-2感染症のような有事に備え、平時から日和見感染症に対する具体的対策を構築しておくことは極めて重要である。 具体的対策の一つとして、歯科を専門としない医療従事者による簡便な口腔内診査より、日和見感染症のリスク評価、リスク評価に基づく安全、的確、迅速な治療法選択を可能にするフローチャートを開発があり、研究期間内にフロチャート開発を目指す。
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研究実績の概要 |
SARS-CoV-2感染による未曽有の世界的パンデミックは、世界中を席捲し多くの尊い人命を犠牲にした。現在、その脅威は、影を潜め消退傾向にあるものの、今後も未知の病原性微生物襲来は容易に推察され、平時から有事に備えた対策構築は必須である。 その対策構築の一環として、日和見感染菌 Candida albicansへの対策が重要と考える。それは、COVID19罹患者では日和見菌 Candida albicans の陽性率は極めて高く、ウイルスとの共感染時において、重症化率、死亡率はさらに上昇したことに因る。平時より、口腔を起点とした、日和見感染菌 Candida albicansへの的確な対応フローチャートの構築は、有事の切迫した、混乱した医療現場において、日和見菌感染による合併症発症の抑制、重症化防止に絶大な効果を発揮する。 これまでに、当院を受診された患者より、日和見感染症の起因菌であるカンジダ菌の臨床分離株の採取を実施した。また、理化学研究所よりCandida albicansの指標株を購入し、指標株と臨床分離株における性状解析を実施している。その結果、Candida albicans臨床分離株は、指標株とは異なる性状を有することを確認している。また、カンジダ菌の臨床分離株の採取とともに、採取を試みた患者の口腔内環境の精査を実施した。Candida albicans臨床分離株に影響を与える可能性のある、口腔乾燥、口腔衛生状態、残存歯数、義歯の装着の有無などについての関連性について検討中である。 現在、102株のCandida albicans 臨床分離株のフリーズストック作成を終えているが、更なる臨床分離株採取の実施、Candida albicans 臨床分離株の性状解析を実施し、口腔環境構成因子との関連について明確にしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書にて予定していた、Candida albicans臨床分離株の採取、採取したCandida albicans臨床分離株の性状解析、およびCandida albicans臨床分離株の採取を試みたhost側の口腔内診査について、当初予定より早く研究が進んでいる。 現段階で、251名の患者よりカンジダ菌臨床分離株の採取を実施し、102株のCandida albicans臨床分離株のフリーズストック作成を終えている。また、随時、採取したCandida albicans臨床分離株の性状解析(増殖能検証、唾液中の抗真菌性成分ヒスタチン5への耐性等)を実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、更なるカンジダ菌の臨床分離株採取の実施、Candida albicans 臨床分離株の性状解析を実施し、Candida albicans 臨床分離株が示す性状と口腔環境構成因子との関連について明確にしていく予定である。 上記を通して、本研究の主目的である、Candida albicans の病原性に強く関係し、且つ簡便に診査可能な口腔環境構成因子を明らかにしていく。そして、歯科を専門としない医療従事者による簡便な口腔内診査から、日和見感染症のリスク評価、リスク評価に基づく安全、的確、迅速な治療法選択を可能にするフローチャートの開発を目指す。
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