研究課題/領域番号 |
23K09491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
深津 晶 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (70339224)
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研究分担者 |
續橋 治 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (80333110)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Acinetobacter baumannii / 口腔細菌叢 / 多剤耐性化 / アシネトバクター / 薬剤耐性菌 / 分離同定法の確立 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの様々な身体部位に定着し得ると推測されるA. baumanniiの詳細な分布,また本菌感染症の感染源や感染経路に関しては未だ不明のままである。さらには,一般的に汎用されている検査法ではA. baumanniiの検出は極めて困難であるため,簡易かつ特異的な分離・同定法の確立が現在望まれている。そのため,ヒトから採取した雑多な微生物が混在する様々な試料から,簡易かつ特異的にA. baumanniiを分離・同定可能な検査法を確立し,様々な環境試料から本菌の検出を試み,耐性化傾向の調査,感染源・感染経路を特定したいと考え,本研究の着想に至った。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、唾液や咽頭ぬぐい液などのヒト口腔試料を対象としたアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)選択培地の開発とその有用性の検討を行った。まず、ヒトから得られた唾液や咽頭ぬぐい液などのヒト口腔試料を用いるため、日本大学松戸歯学部の倫理審査委員会に本研究の申請を行い、その承認を得た。承認後に唾液などの口腔試料を対象としたA. baumanniiを分離・検出するための選択培地の開発を行った。Acinetobacter 属菌やPseudomonas属菌などの非発酵性グラム陰性桿菌の分離・検出用培地である既存のCVT培地に、ヒト唾液試料を接種・培養後、選択培地上に発育したAcinetobacter属菌以外の口腔細菌を目的外菌として分離操作を行い、その分離菌株の純培養と菌株のストックを行った。当研究室で保有しているA. baumannii認定株3株を用いて、最も発育に適した基礎培地の検討を行った。その結果、CVT培地に本菌が良好な発育を示したために、これをA. baumannii選択培地の基礎培地とした。分離した目的外菌の複数株と A. baumannii認定株3株に対して、抗菌薬ディスクを用いた薬剤感受性試験を実施した。それにより、目的とするA. baumanniiの発育を阻害せず、かつ目的外菌のみの発育を阻害する抗菌薬の選定を行った結果、クロラムフェニコール、アズトレオナム、リンコマイシン、デオキシコール酸ナトリウム、セフスロジン、アムホテリシンBを選んだ。以上の試薬で構成された選択培地を作製して、3名から採取した唾液試料をその培地に接種・培養後、実際の臨床で本選択培地が有用であるか否かを検討した。本選択培地は、目的とするA. baumannii以外の口腔細菌の発育を著しく抑制した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Acinetobacter baumanniiの発育・培養に関しては、事前に文献等の調査および予備実験を行っていたために、研究に供する本菌の培養特に問題なく行うことが可能であった。また抗菌薬感受性試験を行った結果、A. baumanniiが感受性を示さず、代表的な口腔細菌が感受性を示す抗菌薬を複数見つけることが出来たことで、インプラント周囲溝滲出液等の口腔試料を対象としたA. baumanniiを分離・検出するための選択培地の開発はスムーズに行うことが可能であった。さらには、申請者らはこれまでに Aggregatatibacter actinomycetemcomitans、Corynebacterium matruchotii、Microbacterium属菌、Rothia dentocariosa、Rothia aeriaなどといった病原性をもった口腔細菌を分離・検出するための複数の選択培地を開発した経験があり、これらのことも本研究課題が概ね順調に進展している理由 として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究協力に同意が得られた被験者100名程度から採取した唾液試料を適当な濃度へ段階希釈し、令和5年度に改良した選択培地へ接種し、当研究室に設置されてい るインキュベーターにて培養を行う。総菌数に対する比率も算定するために総菌用培地にも同様に唾液試料を適当な濃度へ段階希釈し、接種・培養を行う。総菌 用培地にはCDC羊血液平板培地を用いる予定である。総菌用培地は、当研究室に設置されている嫌気培養装置を用いた嫌気培養を行う。培養後に、培地上に形成 された集落数から集落形成単位(CFU)を算定することにより菌数算定を行う。この結果により、口腔におけるA. baumannii検出者率、唾液中の総菌数に対する A. baumanniiの比率を求める。これにより、ヒト口腔内におけるA. baumanniiの分布を調査する。また年齢別などのA. baumannii保菌者率の違い・家庭内伝播 などの検討も行う予定である。
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