研究課題/領域番号 |
23K09498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石河 理紗 東北大学, 大学病院, 助教 (40734471)
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研究分担者 |
瀬名 浩太郎 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60701117)
小関 健由 東北大学, 歯学研究科, 教授 (80291128)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 口腔支持療法 / がん薬物療法 / 末梢神経障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,頭頸部領域における化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)の支持療法の確立を目的としている. 具体的には,1.頭頸部CIPNの評価方法の確立,2.頭頸部CIPNの実態とリスク因子,増悪因子の解明,3.頭頸部CIPNのリスクアセスメント法の確立の3段階に分けて調査,解析を行う. これによって頭頸部CIPNの評価・診断方法を確立し,その実態を明らかにすることで,発症のリスク因子や増悪因子を解明し,頭頸部CIPNに対する支持療法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,頭頸部領域における化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)の支持療法の確立を目的とし,初年度は、頭頸部CIPNの評価方法の確立を目標とした. 国際がんサポーティブケア学会・国際口腔がん学会の参加者と,化学療法誘発性末梢神経障害に関する最新の知見や本研究における課題等についてディスカッションを行い,研究実施方法および評価方法へ反映させることができた. また,調査対象者は,東北大学病院にて化学療法を実施している/した患者のうち,①白金製剤,タキサン系,ビンアルカロイド系,プロテオソーム阻害薬のいずれかを使用している/した者で,②口腔内に頭頸部CIPNを疑う症状(知覚過敏様症状や味覚異常,口腔粘膜の感覚異常など)を認めたものとし,調査項目として,①口腔内写真撮影・口腔内状態記録,②自記式質問票(文献4,5,6),③安静時唾液分泌量測定,唾液採取,④多項目唾液検査システムによる口腔検査(SMT,LION社製,東京),⑤カンジダ検査,⑥味覚検査,⑦知覚過敏症検査を設定していたが,対象者候補となりうる患者に行った事前調査にて,多くが手指の感覚・運動神経障害を併発しており,項目の多い自記式質問票への回答が過剰な負担となることが明らかとなった.そのため,質問票の項目の限定もしくは医療者による口頭確認の実施が必要となり,研究実施方法の修正を行った. さらに,知覚過敏症の検査において,検査を行う部位の設定について特定の部位について実施するか,全顎的に実施するか,再考を要したため,研究実施方法の修正について予備的調査を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査対象者は,東北大学病院にて化学療法を実施している/した患者のうち,①白金製剤,タキサン系,ビンアルカロイド系,プロテオソーム阻害薬のいずれかを使用している/した者で,②口腔内に頭頸部CIPNを疑う症状(知覚過敏様症状や味覚異常,口腔粘膜の感覚異常など)を認めたものとし,調査項目として,①口腔内写真撮影・口腔内状態記録,②自記式質問票(文献4,5,6),③安静時唾液分泌量測定,唾液採取,④多項目唾液検査システムによる口腔検査(SMT,LION社製,東京),⑤カンジダ検査,⑥味覚検査,⑦知覚過敏症検査を設定していたが,対象者候補となりうる患者に行った事前調査にて,多くが手指の感覚・運動神経障害を併発しており,項目の多い自記式質問票への回答が過剰な負担となることが明らかとなった.そのため,質問票の項目の限定もしくは医療者による口頭確認の実施が必要となり,研究実施方法の修正を要した. また,知覚過敏症の検査において,検査を行う部位の設定について再考を要したため,予備的調査を行う必要が生じ,その実施準備に期間を要した.
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今後の研究の推進方策 |
観察者のキャリブレーションが終了次第,初年度に予定していた頭頸部領域のCIPNを疑う症状を呈する患者を対象に調査を実施し,頭頸部領域のCIPNについての評価・診断基準,診査票を確立を目指す. 次に、頭頸部CIPNの実態とリスク因子,増悪因子の解明を目指す。頭頸部CIPN診査票を用いて,調査対象者に対し,観察者が診査する.調査対象者は東北大学病院にて化学療法を受ける患者のうち,白金製剤,タキサン系,ビンアルカロイド系,プロテオソーム阻害薬のいずれかを使用する者150名とし,調査期間は化学療法開始前,開始後1か月,3か月,6か月とする.対象者数が規定に達し次第,調査結果から,加療内容ごとの頭頸部CIPNの具体的な症状,発症頻度,持続期間等を明らかにする.解析においては化学療法薬の種類,用量,使用期間などを考慮する.さらに,既往歴,飲酒歴,喫煙歴,残存歯数,義歯使用の有無,歯科疾患の罹患状況,口腔セルフケア状況,経口摂取状況,他領域のCIPN症状の有無などとともに統計学的に解析を行い,頭頸部領域CIPNの発症や重症化に関連する因子を検索する. 上記の結果を踏まえ,頭頸部CIPNの発症や重症化に関する因子について,①医療側の因子:使用薬剤,容量,期間など,②患者側の因子:既往歴,全身状態,口腔内状態などに分類し,頭頸部CIPNのリスクアセスメント票を作成する.作成したリスクアセスメント票を用いて,追跡調査を行う.リスクアセスメント票に基づき,ハイリスクと判定された場合には,がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引きに従って加療を行い,その効果も評価する.全対象者の調査期間が終了次第,得られた結果について解析を行い,リスクアセスメント票の信頼性,妥当性を評価し,頭頸部CIPNのリスクアセスメント法を確立する.
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