研究課題/領域番号 |
23K09503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
白井 肇 岡山大学, 大学病院, 講師 (00263591)
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研究分担者 |
武田 宏明 岡山大学, 大学病院, 助教 (20746044)
河野 隆幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (80284074)
味野 範子 (塩津範子) 岡山大学, 大学病院, 医員 (90771452)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歯学教育 / VR動画 / 共感教育 / 研修歯科医 / 能動的学習 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科の診療行為の教育は、従来、マンツーマン方式で行われていたため、医療人の育成には大変な時間がかかっており、非効率的であった。近年では、診療行為の動画が多く世間に出るようになってきたが、教育効率の向上にはつながっているとはいい難い。我々は、診療動画は受動的であるため、教育効果や効率の向上が望めていないのではないかと考えた。そこで、歯科の診療行為をVR動画にして、動画閲覧に能動的な要素を加えることが、研修歯科医の行動変容につながり、教育の効率化につながるかということについて検討を行う。
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研究実績の概要 |
歯科における臨床教育を効率的かつ効果的に実施することは良質な医療を提供する医療人の育成において急務であるにもかかわらず、従来型マンツーマン方式が踏襲され、そのような教育手法の開発研究は積極的には行われてこなかった。そこで我々は、診療手技動画を診療前に閲覧し、疑似的に事前体験できるシステムを提供してきたが、従来型マンツーマン方式と比較して我々が期待した程の教育の効率化や研修歯科医の学習意欲の向上は得られなかった。我々はこの原因として、動画閲覧行為は受動的で能動的要素がないことに一因があると考えた。 そこで、同じ診療動画であっても能動的要素が加わるVR動画とし、従来型の動画と同様に自由に閲覧が可能なシステムが構築できれば、診療初心者であったとしても、短期間のうちに習熟者と同等の能力を発揮させる可能性が高くなり、医療人育成過程における臨床教育が、社会に対して安全・安心に遂行できる環境を構築することが期待できる。 従来型の動画は動画作成者が切り取った一部分のみしか見られないことから、どうしても受動的になってしまうことが指摘されている。しかしながらVR動画では、今まで受動的だった動画コンテンツを能動的な疑似体験型のコンテンツに昇華することが可能となる。 研修歯科医からVR動画の視聴について質問紙調査を実施したところ、診療行為のワンシーンでのVR動画視聴には前向きな関心を示していることが明らかになった。しかしながら、先行的に作成したVR動画では、今までの診療動画と比較して、大きな違いはなく、新たな課題が生じた。教育の効率化や研修歯科医の学習意欲の向上を引き出す教育効果を引き出すには、単純なVR動画の提供に加えて、もう一工夫が必要であることが判明した。今後は、歯科の基本的診療手技のVR動画化をシリーズとしてすすめるとともに、更なるアイデアを探求する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目的は、VR動画素材を作成する教育用コンテンツの抽出と質問紙調査の調査項目の作成である。診療室内外での基本的診療行為にあわせたコンテンツを抽出し、基本的診療行為について研修歯科医を模擬患者としてVideo動画撮影し、研修歯科医がVR動画の視聴に関心があるのか、また、研修歯科医がどのような動画素材が学習意欲の向上につながるのか、指導歯科医側からみて、どのような指導方法が教育の効率化につながるのかについて質問紙調査を行い、研修歯科医のニーズを把握した。また、その調査結果は、第16回日本総合歯科学会において一部を発表し、国内同分野の研究をすすめる方々との情報交換を行い、今後の研究の方向性についてヒントを頂いた。
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今後の研究の推進方策 |
借用器材で試行撮影していた撮影記録編集機材を最新の器材を購入し、診療室内外での基本的診療行為にあわせたVR動画を撮影し、1フレーズ1分程度の動画素材(最大でも5分以内)として切り出し編集作業をして、タイトルをつける作業を行う。その後、研修歯科医に実際の歯科診療にあたって、事前に診療前に作成した教育コンテンツを閲覧してから実際の診療に臨む、その後、教育コンテンツについて質問紙調査ならびに観察記録によって、教育効果の評価を行って行く予定である。 得られた結果については国内外において発表の予定である。
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