研究課題/領域番号 |
23K09514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
竹内 麗理 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60419778)
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研究分担者 |
有川 量崇 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50318325)
田口 千恵子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80434091)
矢口 学 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (90732181)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 薬物性歯肉増殖症 / 甘草 / 病態モデル / ラット / 歯肉線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物性歯肉増殖症は歯を覆うほどに歯肉が増殖し、咀嚼・嚥下機能の低下や審美性を損なう疾患である。その治療法は主に歯肉切除と薬物変更であるが、これらの選択が難しい症例も多く、また予防法は開発されていないため、新規治療法・予防法の開発が望まれている。本研究では薬物性歯肉増殖症の病態モデルをラットで作製し、生薬の一つカンゾウを応用して画期的な治療法・予防法を開発し、さらにカンゾウの作用機序を解明する。
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研究実績の概要 |
薬物性歯肉増殖症は、薬物(抗てんかん薬フェニトイン、免疫抑制薬シクロスポリン、血管拡張薬ニフェジピン等)や炎症反応刺激などが原因となり、歯肉線維芽細胞の過度の増殖、歯肉コラーゲンなど細胞外基質の堆積を生じることで発症すると報告されている。研究の最終目標は、薬物性歯肉増殖症の新規治療法および予防法を開発することであり、本研究では生薬の一つであるカンゾウを用いて実験を行う。カンゾウは全身的な炎症反応の動物モデル実験により抗炎症作用をもつことが証明されており、さらに歯肉炎・歯周炎の治療・予防効果も認められている。 本年度には、ラットの舌に炎症を誘発し、その後、舌の規格化写真およびヘマトキシリン・エオジン染色標本で病変部を経時的に観察した。また同部位からタンパク質を抽出し炎症性因子の発現を解析した。処置後1、7時間の病変部において水泡形成および上皮剥離を伴う潰瘍形成が認められ、3、5、7日では明らかな真皮への炎症性細胞浸潤が見られた。9日では上皮の修復が開始し、16、21日において上皮・結合組織が再生していた。処置後7時間および3日後にはインターロイキン-1β、インターロイキン-4、インターロイキン-6、インターロイキン-10、腫瘍壊死因子(TNF)-αのタンパク発現を認めた。インターロイキン-1β・6およびTNF-αは炎症誘発因子、インターロイキン4・10は炎症抑制因子として知られている。 また、カンゾウ成分18α-グリチルレチン酸は歯肉線維芽細胞のアポトーシスを誘導することを発見し、18α-グリチルレチン酸の治療薬としての可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薬物性歯肉増殖症の治療法および予防法を開発するため、歯肉線維芽細胞でのin vitro研究および病態モデル動物作製のためのin vivo研究を行い、双方で進歩が見られた。 in vitro研究では、フェニトインで刺激した歯肉線維芽細胞において、カンゾウ成分18α-グリチルレチン酸がBCL2 mRNA発現を抑制し、CRADD、FADD、RIPK1、TNFRSF1A、TRAF2、カスパーゼ2・3・9 mRNA発現を亢進することが分かった。 in vivo研究では、ラットの舌に局所的な炎症症状を誘発することに成功した。このモデルを用いることによって、カンゾウの抗炎症効果および薬物性歯肉増殖症治療の可能性を明らかにすることができる。
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今後の研究の推進方策 |
薬物性歯肉増殖症の治療法および予防法を開発するために、in vitro研究で、フェニトインで刺激した歯肉線維芽細胞において、カンゾウ成分18α-グリチルレチン酸がBCL2、CRADD、FADD、RIPK1、TNFRSF1A、TRAF2、カスパーゼ2・3・9 タンパク質の発現に、どのように影響するかを検討する。さらにシクロスポリン、ニフェジピンで刺激した歯肉線維芽細胞でも、18α-グリチルレチン酸によるmRNAおよびタンパク質発現への影響を解析する。 また、炎症誘発ラットでのin vivo研究で、18α-グリチルレチン酸の抗炎症作用を検討する。
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