研究課題/領域番号 |
23K09526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中村 和人 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30456488)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心不全ネットワーク / 心不全レジストリー / 心腎症候群 / HFpEF / フレイル / Ⅱ群肺高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
循環器診療では、薬物治療や急性期医療の進歩により、生命予後は明らかに改善しているが、高齢化社会の結果、慢性心不全患者が著増し、心不全パンデミックとして、社会問題となっている。今後は、生命予後の改善と並行して、健康寿命の延伸が求められる。本研究では、山梨大学と山梨県が共同で行っている新型コロナウイルス感染症の患者管理のためのSHINGENシステム(Smart Health Information Gathering & Evaluation Network)を心不全診療に応用・至適化し、多職種かつ多施設で、遠隔診療、医療情報の共有および管理、レジストリーとして活用することを目指す。
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研究実績の概要 |
心不全の連携とレジストリーを組み合わせた実装を兼ねた研究である。心不全ネットワークは概ね山梨県内の基幹病院間で構築されている。結果として、心不全レジストリーはすでに機能して、1年以上経過しており、登録数は少しずつ増えている。心不全患者のセルフモニタリング用のアプリであるSHINGEN-HFシステム自体は試験運用がまだ始まっていない。主に倫理面とソフトの開発面の二つの理由による。本ネットワークおよびレジストリーを利用した実際の各研究課題である①左室駆出率の維持された心不全(HFpEF)の問題、②心腎症候群の問題、③左心不全に伴う肺高血圧(Ⅱ群)の問題、④フレイル、サルコペニアの問題の実績、進捗状況は以下のとおりである。①は心エコー図および血行動態データを収集中である。③も同様であり、一部、他の研究代表者によるレジストリーに登録している。③はまだ具体的な計画自体を検討中である。④は大動脈弁狭窄症の患者から得られたデータで、論文を投稿中である。4つの課題のうち、特に①、③に関しては、そのまま進める。またSHINGEN-HFシステムを利用して、新たに心不全増悪の予測因子の探索を行う。特に細かな医学的指標ではなく、セルフモニタリングできる項目が望ましい。またアプリ導入の阻害因子も検討する。かなり簡便なシステムであり、今後、患者側へのICTの利用は少しずつ広がると予想されるが、高齢者へのICT導入の課題も検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全ネットワーク、心不全レジストリーとも動き出してはいるが、研究を進行させるうえでの最適化がまだ十分でない。特に本プロジェクトの中心となるSHINGEN-HFシステムの運用がまだ始まっていない。主に倫理面とソフトの開発面の二つの理由により、進行が遅れている。レジストリーも実際の患者数に対して、登録数が少ない。登録内容がかなり多く、煩雑であることが原因になっている。
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今後の研究の推進方策 |
心不全レジストリーは、入力河本入力方法の再検討が必要と考えている。登録数を増やすためには、特に入力項目の簡便化が重要と思われる。SHINGEN-HFシステムは、アプリの改良と企画の目標により試験の意義が変わり、それにより倫理審査の内容も変わるため、現在、前向き介入研究としての倫理審査に申請中である。①左室駆出率の維持された心不全(HFpEF)、②心腎症候群、③左心不全に伴う肺高血圧(Ⅱ群)、④フレイル、サルコペニアに関する課題は、これらと並行して、あるいは独立して、データの収集および解析を進めていく。
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