研究課題/領域番号 |
23K09528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大沢 恭子 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50612107)
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研究分担者 |
恒藤 暁 京都大学, 医学研究科, 教授 (70372604)
谷向 仁 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60432481)
田村 恵子 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30730197)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヘルスリテラシー / 補完代替医療 / がん / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
日本では多くのがん患者が補完代替医療を利用しているが、大多数は医療者に相談していない。この背景には、情報選択の際の「ヘルスリテラシー:患者が信頼できる情報や有用な情報を見分け、活用していくための力」が影響していると考える。本研究では、1)がん患者のヘルスリテラシーに関する我が国における知見の獲得、2)補完代替医療利用におけるヘルスリテラシーのレベルに応じた医療者の体系的コミュニケーション技法の開発を目的とする。患者のヘルスリテラシーの程度に応じた医療者側からの働きかけが、患者の補完代替医療の再考や医療者との信頼関係の構築、ならびに、納得できる治療方針や意思決定への支援にもつながると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はがん患者のヘルスリテラシーに関する我が国における知見の獲得、および補完代替医療の利用におけるヘルスリテラシーのレベルに応じた医療者の体系的コミュニケーション技法の開発である。 本年は、文献検索を行い、世界的な動向を探り補完代替医療とヘルスリテラシーについて知見を広げた。補完代替医療に関しては、使用する補完代替医療の種類によって情報開示に顕著な差があることがわかった(例:自然健康製品/生物的補完代替医療(ハーブ、栄養補助食品、ビタミン)を使用している患者の開示率は非生物的補完代替医療(カイロプラクティック、ヨガ、心身療法)よりも低い)。また、補完代替医療の使用と情報開示やコミュニケーションに関する文献は少数であった。特に日本における補完代替医療のコミュニケーションの現状は明らかになっていないことが判明した。 また、がん患者のヘルスリテラシーに関する研究では、ヘルスリテラシーの低さががん関連情報の理解および処理の困難さ・QOLの低さ・ケア経験の低さと関連していることがわかった。また、がん患者のヘルスリテラシーの関連因子を検討するレビュー文献はみられるが、がん患者全体のヘルスリテラシーの低さを検討した国内外の論文や、日本におけるがん患者のヘルスリテラシーに関する論文はみられないことがわかった。 他に、サイコオンコロジー学会主催の研究セミナーに参加し、研究内容を発表するとともに、研究内容に関して意見をいただき情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補完代替医療について、計画時にはすべての補完代替医療の使用状況について想定していたが、使用する補完代替医療の種類によって情報開示に顕著な差があることが文献検索でわかった。このため、補完代替医療については、より人体に影響があると思われるサプリメント等の副作用に限定したほうが良いと考えられた。ほかにも対象や実施場面について、研究協力者と会議を行い、何度も意見をいただきながら修正を重ねたため、当初の計画よりも研究の開始が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
がん患者におけるヘルスリテラシーの特徴について、文献レビューとしてまとめる。またこの結果を踏まえて、日本の治療中のがん患者のヘルスリテラシーと補完代替医療の認識との関連性について対象者や対象場面の設定を確定し、調査を実施する。
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