研究課題/領域番号 |
23K09536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
春山 康夫 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20406185)
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研究分担者 |
小橋 元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60270782)
阿部 七郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80275718)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | メタボリックシンドローム / 若年成人 / 保健指導 / ヘルスリテラシー / アドボカシー |
研究開始時の研究の概要 |
若年成人(40歳未満)においてもメタボリックシンドローム(以下MS)は相当数の発症者がいる。若年成人の時期にMSに発症すると、積算したMSの有病者が40歳時点のMSの有病率を「波」のように押し上げることとなる。そのため、40歳未満の若年成人のMS発症者を減らさなければ、特定健診・特定保健指導制度を成功に導くことは難しい。 本研究では、ライフコースを通じた切れ目ない健康づくりを目指し、若年成人のMSを予防し、生涯の健康を守るためのヘルスリテラシー教育・行動変容プログラムの新規開発と、これを用いた職域・地域における介入研究を実施し検証する。
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研究実績の概要 |
若年成人メタボリックシンドローム(MS)の診断基準と現行診断基準を検証するため、某健診機関で人間ドックを受診し、CTで内臓脂肪、腹囲及びMSの関連項目の欠損がなかった20歳~40歳の876人(男性595人、女性281人)を解析対象とした。内臓脂肪100㎝2の基準として、腹囲のカットオッフポイントをROC解析したところ、40歳未満の女性では98㎝(感度100,特異度0.97)、男性では91㎝(感度0.89,特異度0.79)であった。ROC解析で得られた腹囲値と、CT内臓脂肪面積を用いたMSの診断基準と、現行の腹囲基準との一致度については、カッパ係数とPABAK(有病率と偏りを調整したカッパ係数)により解析を行った。現行の腹囲基準によるROC分析で得られた腹囲値はCT内臓脂肪面積を用いたMSの診断基準と高い一致性を示した(女性:κ係数、0.364と0.494,PABAK、0.929と0.972、男性:κ係数、0.455と0.590、PABAK、0.630と0.780)。以上の結果、腹囲は女性で98㎝、男性で91㎝が妥当な値と示唆される。若年成人MS用総合介入プログラムの開発が開始され、上記の解析に基づき、予防の前提で腹囲が女性91㎝以上(BMI27)、男性85㎝以上(BMI25)、男女共通項目は、SBP/DBP(125/80mmHg以上)、HDL45mg/dl未満、TG130mg/dl以上、FBG100mg/dl以上(HbA1c5.5%以上)とする。また、血圧、血糖、脂質服薬のある者、喫煙者、肝機能が基準以上であれば保健指導対象となる。介入の詳細を現在取りまとめ中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入研究の準備はやや遅れている。その理由は、若年者に対するメタボリック予防する総合介入プログラムの実施には、研究フィールドの協力が不可欠なためである。しかし、令和6年から始まる第4期特定健診・特定保健指導は、従来の特定健診・保健指導とは大きく異なるため、準備が必要である。本研究の協力者(各フィールドで特定健診・特定保健指導を担当している者)は、まず優先的に第4期特定健診・特定保健指導を円滑に開始させる責務がある。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究初年度の分析結果は、学会発表および投稿論文として発表される予定である。 2.これまでの分析結果と取集した資料を踏まえて、総合介入プログラムをとりまめる。また、現場の負担を軽減するため、ICTにも応用できる総合介入プログラムとして展開する。 3.若年成人メタボリックシンドローム予防のための総合介入プログラムを開始する。研究協力フィールドとの調整を継続しながら、総合介入プログラムを以下の方法でできるだけ早く開始する。若年成人MS保有者を介入群(総合介入プログラムを使用した保健指導群)と対照群(標準的な保健指導)にランダムに振り分け、介入研究を行う。必要サンプルサイズは、MS改善のオッズ比を1.51(春山他.日本公衆衛生雑誌 2012)と仮定して、両側検定、αエラー5%、検出力80%の条件により計算すると298人であるため、約1割の脱落を考慮して330人を対象とする。
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