研究課題/領域番号 |
23K09538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山本 理絵 東海大学, 医学部, 講師 (00459489)
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研究分担者 |
杉田 真理子 東海大学, 医学部, 講師 (70758929)
土谷 飛鳥 東海大学, 医学部, 准教授 (20530017)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | シミュレーション教育 / 薬毒物中毒 |
研究開始時の研究の概要 |
救急外来で対応する病態のうち薬毒物中毒は一部であり、若手救急医療従事者は多くの事案を経験数することが難しい。国外ではシミュレーション教育が実施されているが、本邦ではニーズはあるものの実施されていない。 本研究では、国外のシミュレーションシナリオの日本語訳だけではなく、国内特有の薬毒物中毒のシナリオを追加し、一連の初期診療を模擬体験し、知識と技術を習得するための新たなシミュレーションモデルを開発する。 シミュレーション教育により、実際の救急現場において、適切な医療の提供につなげることを目標とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、急性中毒の初期診療教育のシミュレーションシナリオを作成するため、海外のシナリオの検討および本邦の急性中毒の動向について調査を行った。 1)American College of Emergency Physicians とEM SIM CASESのシミュレーションシナリオの内容を検討した。本邦と海外の社会的背景や医療制度の違いにより、処方・販売されている薬物や社会問題となる中毒には相違がある。本邦では稀な薬毒物中毒のシナリオが含まれていたため、すべてのシナリオを検討した上で本邦の中毒診療に沿うものとして、アセトアミノフェン、三環系抗うつ薬、アスピリン中毒、CO中毒、セロトニン中毒を選定した。 2)急性中毒の原因薬物は社会的な背景により大きく変化する。硫化水素、大麻、鎮咳薬による中毒が爆発的に発生するなど、本邦と海外では流行する薬毒物が異なる。本邦の急性中毒の中には、海外のシミュレーションシナリオには取り扱っていない原因薬物があることから、自施設のデータを使用し近年の急性中毒の原因薬物の変化について調査を行った。経年的な変化としては、精神神経用剤(睡眠導入剤、抗うつ薬、抗精神病薬など)の使用頻度は低下した一方で、市販薬の使用頻度が増加していた。さらに、市販薬の中でもアセトアミノフェン、カフェインは増加しており、近年ではデキストロメトルファンの使用が増加していた。しかし、2020年から2022年のコロナ禍には、精神神経用剤の使用頻度が増加していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に大麻の使用が流行したことで、選定するべきシナリオの再検討が必要となった。そのため、近年の急性薬毒物中毒の動向を明らかにすることを優先に調査をしながら、シナリオの選定を行った。
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今後の研究の推進方策 |
選定したシナリオの和訳を行い、急性中毒標準診療ガイドを参考に本邦では実施していない検査や治療の項目を抽出しながら、日常の医療方針に適したシナリオへと修正する。自施設の若手救急医および救急外来看護師を対象に日本語版シナリオを使用したシミュレーショントライアルを行う。対象者によるシナリオの評価を行い、評価を元に修正を行う。 2023年度の選定した原因薬物以外のシナリオについても再度検討し選定の後、追加する。 また、本邦で流行している急性薬物中毒のシミュレーションシナリオの原案を作成する。
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