研究実績の概要 |
【目的】自治体と連携した地域実践型指導医育成プログラム初年度終了時の達成度を分析し,効果を検証すること 【方法】対象は地域病院指導医4名.プログラム開始時にKJ法を用い,指導医が獲得すべき資質・能力を同定した.その後,6ヶ月あるいは1年間のFDセッション(オンライン・対面)及び実践セッション(現地)を実施した.プログラム終了時に,資質・能力の達成度(5点満点)と理由を自己評価し,入力情報を元にグループインタビューを行った.データは混合法で分析した. 【結果】対象者の医師経験平均年数13.2年,プログラム参加期間6ヶ月1名,1年3名.指導医が同定した資質・能力12項目の平均値(標準偏差)は以下の通り.1.ライフスタイル4.6(0.55),2.コミュニケーション4.6(0.55),3.地域医療資源の理解4.2(0.45),4.多職種連携4.2(0.84),5.生涯学修3.8(0.45),6.心理的安全性3.8(1.30),7.地域医療の実践力3.6(1.34),8.地域医療教育理念の理解3.4(1.34),9.キャリアサポート3.4(1.52),10.ICTリテラシー2.8(1.10),11.地域課題の発掘2.4(1.14),12.行政連携2.3(1.30). 【考察】指導医の同定した資質・能力は多様性を認めた.「心理的安全性」はFDの学びを意識し学修者のニーズ設定やフィードバックができた場合達成度が高かった.「地域医療教育理念の理解」は,教育経験,年間を通じた参画,実習・研修のアウトカム及び学修者の資質・能力の理解度が達成度を左右した.「ICTリテラシー」は平均達成度は低かったが教育資源としての動画利用などの好事例を認めた. 【次年度に向けた計画】指導医が同定した教育資質・能力を達成するためには地域の実践における経験をFDで共有するなどのプログラム構成や不足内容の見直しが必要である.
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