研究課題/領域番号 |
23K09547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 菊枝 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30731468)
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研究分担者 |
小林 大介 富山大学, 附属病院, 客員准教授 (30728176)
古川 大記 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30837654)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 医療資源適正化 / リアルワールドデータ / 患者受療行動 / 地理空間データ / 機械学習 / 環境因子 |
研究開始時の研究の概要 |
リアルワールドデータによる医療BigDataを利用した地域医療データ基盤を構築することで、医療ニーズや地域特性を捉えた医療資源適正化のための医療機関連携と機能分化の促進を図る。データ駆動型ドリブンによる患者の受療行動を把握するためのシステム構築とGISを使った地理空間データの統計解析や地域環境因子の影響などによる疾病集積シミュレーション及び医療提供体制として必要な医療従事者数・病床数を推計した医療需給モデルを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,医療ビッグデータを利用した地域医療データ基盤を構築することで、地域性を重視した医療資源適正化による医療機関連携と機能分化の促進を図ることである。その為の医療データに基づく医療ニーズを捉えた医療資源の適切な配分、人的資源の有効活用度の向上に資する「患者の受療行動・疾病集積・医療必要量を把握するためのシステム」を設計・シミュレーションを行い、医療需要推計モデルを開発する。 2023年度は、地域性と医療機関の機能分化を促進する「患者の受療行動を把握するためのシステム」を構築することで、入退院支援策等に有効なデータを収集しその結果を管理・活用して、課題解決を目指した。また、新型コロナウイルス感染症など新興・再興感染症に対しても疾患の流行を捉えるタイムリーな情報の収集を図るため、「疾病集積」の可視化を実装した。自治体などの行政区や二次医療圏単位での調査だけでなく、発生地点を空間的に捉え、地域全体としての状況把握のために空間データに基づく統計解析を行った。次の段階である、リアルワールドデータに基づく推計手法を利用した疾病発生予測モデルのシミュレーション開発につなげていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度における達成目標として、以下の2項目を遂行することを掲げてきた. ① リアルワールドデータを利用した患者受療行動のデータ駆動型ドリブン ② 疾病集積シミュレーション 疾患の特異性によって、患者の発生とその受療行動には開きがあり、どの地域でも均等になっている訳ではなく、地域の医療リソースは偏在している。地域に適正な医療リソースを用意することによって、患者の受療行動に問題が生じないようにすることが望ましいが、現実には偏りがあり、それを補正する意味で個々の症例において退院後の支援が必要とされる。そこで、リアルワールドデータ(RWD)であるDPCを利用した患者受療行動を把握することで、地域支援に寄与することが期待できる。GIS(Geographic information system ; 地理空間情報システム)による患者住所地と受療医療施設間のトラッキングだけでなく、患者疾患ごとの多様な移動軌道の実測・予測によるデータ駆動型ドリブンへ取りかかることができた。 また、GISを利用した空間データからの検定統計量を組み込んだ疾病集積シミュレーションを行い、大気環境やソーシャルキャピタルといった疫学的観点からの健康影響にかかる成果も得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
「疾病集積シミュレーション」については、AIを導入して、運用ルール策定につながる仕掛けを構築することで、効率的な医療提供体制の整備と持続性を確保した課題解決を目指す。また、疾患ごとの医療需給状況分析から医師の偏在化並びに看護配置を可視化する「医療従事者需要推計モデル」を開発する。
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