研究課題/領域番号 |
23K09551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (00376956)
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研究分担者 |
宮野 伊知郎 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (00437740)
檜山 麻里子 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (30900849)
兵頭 勇己 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50821964)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 医療情報学 / 地域医療連携システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、地域医療連携システムの有用性提示のために、地域ごとの予後改善につながるシステム利用パターンの抽出方法を確立する。患者の医療介護施設までの移動時間、システムのアクセスログデータ、レセプトデータのそれぞれを連結させた統合データ環境を構築し、患者の地域医療連携システムへの参加同意前後で医療従事者及び患者の行動変容が起きた事例抽出を実現する。
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研究実績の概要 |
地域連携システムのユーザの利用ログデータ及び対象患者データの取り込みを行い、基本データの解析を実施した。同一施設内における職種ごとの閲覧パターンの違い、患者受診と閲覧パターンとの関係を評価した。地域連携システム導入初期であるため、ユーザの利用頻度に差がある傾向が示された結果となった。また、医師よりも事務職員の方において、利用頻度が高い傾向が示された。対象患者に対して一度閲覧は行い、それ以降は閲覧しないパターンが多く見られたが、患者への聞き取りによって初回閲覧以降の患者受診状況を把握している可能性があると考える。また、同一患者に対して、医療機関、介護施設、調剤薬局において何施設閲覧しているかのパターンを評価した。対象患者の行動パターンに依存するが、地域連携システムを導入し時間経過した後になると、複数施設で患者データの閲覧を開始していることが示された。 次に重複処方が地域連携システムによって変更されているかどうかの評価を行った。睡眠薬、抗うつ薬を長期処方されている患者を対象として、地域連携システムによって閲覧前後と重複処方の有無の2項目について分割表を作成し比率の差を評価した。マクネマー検定の結果、有意に閲覧期間の方が重複処方の比率が低いことが示された。他の患者背景因子の影響も考えられるが、閲覧によって処方のパターンが変化していることが示唆され、地域連携システムによる一定の効果があったと示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定された計画に従い地域連携システムのログ評価及び閲覧とユーザの行動との関連を評価し、解析作業を進められた。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者データのデータベース化を行い、患者の分類を行う。患者の受診動向の詳細に評価を行い、パターン分類を行う。患者の症状パターンと受診動向のパターンの関連を評価し、予後との関連付けを行う。症状パターンと受診動向のパターンの関連があまり存在しない場合、患者を地域ごとに分類し、症状パターンと予後との関連付けを行う。 地域の評価として、各医療機関及び介護施設までの直線距離を評価する。距離及び一定距離内の施設数に基づき地域ごとの分類を行う。患者の分類において、これまでの処方パターンに加えて検査結果を組み合わせて、予後評価を行うことで実施する。 これらのパターン分類によって、予後の改善するパターンが存在するか、地域ごとの差が存在するかどうかの探索を実施する。
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