研究課題/領域番号 |
23K09571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
福田 妙子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40228911)
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研究分担者 |
井上 紀彦 独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター), 診療情報分析部, 主任研究員 (60867068)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高血圧 / 周術期合併症 / ガイドライン / 術前管理 |
研究開始時の研究の概要 |
充分にコントロールされていない高血圧症は、周術期に心・大血管イベントのリスクを高めると考えられている。しかし、具体的にどの程度の高血圧が、どのようなリスクとなるのか詳細に検討した報告は、意外なほど少ない。 今回の研究では、このリスクを大量のデータを使用して後方視的に調査し、術前血圧管理の目安となる基礎的データを提供することを目的としている。具体的には、国内80ヶ所以上の病院から国立病院機構本部に集積された診断群分類包括評価データ等を用いて、全身麻酔下に行われた成人手術症例の術後死亡率・心血管・脳血管疾患の発生状況及び、術後入院期間・医療費を調査し、術前の高血圧管理状況の影響を検討する。
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研究実績の概要 |
充分にコントロールされていない高血圧症は、周術期に心・大血管イベントのリスクを高める。しかし、具体的にどの程度の高血圧が、どの程度のリスクとなるのか詳細に検討した報告は、意外なほど少ない。現在世界的に用いられているガイドラインの根拠となっている報告は、よく調べると、1970年台から2001年までに発表された30件の観察研究のメタアナライシス研究を基としている可能性がある。しかし、降圧薬の開発や循環器モニターの進歩は、この結果を変化させているかもしれない。 そこで今回の研究では、術前コントロールされていない高血圧症のリスクを、2016年から2021年のデータを使用して後方視的に調査し、術前血圧管理の目安となる基礎的データを提供することを目的としている。具体的には、国内80ヶ所以上の病院から国立病院機構本部に集積された診断群分類包括評価データ等を用いて、全身麻酔下に行われた成人手術症例の術後死亡率、心臓・大血管及び脳血管疾患、急死腎不全の発生状況を調査し、術前の高血圧管理状況の影響を検討する。 また、高血圧患者の手術を延期する目的は、臓器損傷の評価と血圧のコントロールである。 しかし、血圧が正常化した高血圧患者は正常血圧患者と同じくらい安全なのかは不明である。 最近の専門家の意見論文は、手術を延期して血圧をコントロールすることがリスクを軽減するという明確な証拠はないと述べている。この点も最近のデータを使用して調査する必要がある。 そこで、この研究では、正常血圧者と高血圧ではあるが血圧がよくコントロールされている患者を傾向スコアマッチングし、術後のアウトカムを比較検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳外科・心臓大血管手術・産科手術を除いた成人手術患者 323,070症例の記録を研究対象とした。対象患者は正常血圧群、高血圧群(stgae1,2,3)の4群に分けた。各群の術後死亡率、虚血性心疾患・脳血管疾患・大動脈解離・急性腎障害の発生率を多変量解析を用いて比較した。また、正常血圧群を高血圧の治療及び診断歴のある患者とない患者の2群に分けて、それぞれの術後のアウトカムを傾向スコアマッチングによって比較検討した。
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今後の研究の推進方策 |
解析結果をガイドライン及び既存の類似論文と比較するとともに、共同研究者と論議し、英文誌に投稿予定である。
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