研究課題/領域番号 |
23K09585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
林 果林 東邦大学, 医学部, 准教授 (50385845)
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研究分担者 |
野崎 剛弘 中村学園大学, 栄養科学研究科, 特命任用教員(教授) (60301339)
小山 憲一郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (80620880)
山崎 允宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90963463)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | オベシティスティグマ / 肥満症 / 受療行動 / WSSQ / 多施設研究 / 逆境的小児期体験 / うつ病 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、合併症のある肥満を「肥満症」と診断し治療対象とすることになったが、肥満症は遺伝的,生理的,および心理社会的等、様々な要因がその発症と経過に関与し、治療には様々な分野の協力体制が必要である。このような中、2019年Lancet Public Health は肥満症の治療を困難にさせる要因に、オベシティスティグマがあり肥満症の核心的問題であると痛切に指摘された。しかし、日本におけるオベシティスティグマの臨床研究はほとんどない。そこで今回、オベシティスティグマ質問紙(WSSQ)を用いて日本における実態を明らかにするとともに、肥満症患者の受療行動との関係性を検討することを目的とした。
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研究実績の概要 |
肥満症は遺伝的,生理的,行動的・心理社会的,ならびに環境的要因等がその発症と経過に関与している多因子疾患であるにもかかわらず、食事や運動によって自己コントロールできるはずで、肥満は怠惰の結果であるとの誤った認識から、オベシティスティグマが存在し、肥満症患者の心理状態を悪化させ治療を困難にしていることが指摘されている。今年度は研究計画を共同研究者と数回話し合いながら練り直した。その結果、多施設研究でありより多くの症例を集め、肥満の核心的問題を明らかにするために、質問紙を4つ(WSSQ(オベシティスティグマ)、GHQ9(うつ)、ACEスコア(逆境的小児期体験)受療行動に関するエフィカシー尺度)に絞り6施設の研究に同意を得た肥満症患者及びウェブでアンケート回答に同意を得た一般の健常者間で比較検討を行うこととした。またこの研究に関して、東邦大学医学部倫理委員会に共同研究期間とともに一括申請を行った。WSSQに関しては日本語版作成を検討したが、すでに2023年5月に中村氏により日本語版が作成され論文発表されていたため本人に確認しこちらを採用することとした(Yuko Nakamura: Developing and validating a Japanese version of the Weight Self Stigma Questionnaire.Eat Weight Disord. 2023 May 17;28(1):44.) またこの研究課題について第44回日本肥満学会・第41回日本肥満症治療学会の日本医学会連合TEAM事業・日本肥満学会・日本肥満症治療学会 合同企画シンポジウムにて「領域横断的な肥満症対策の推進に向けたワーキンググループ活動の現状と今後・オベシティスティグマの実態と問題点」として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究について倫理委員会の承認を得るのに相当の時間を要した。一方でWSSQ質問紙については当初日本語版作成のための第一段階の研究も施行予定であったが、同時期に中村氏による論文が発表されたことから日本語版がすでに作成されており採用することができたためおおむね順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当研究についての倫理委員会は2024年4月22日に承認されたため、今後は各施設に対象者を募っていただきデータを蓄積する。また、ウェブ会社との最終打ち合わせの後契約し、ウェブ上にて健常者の研究対象者を募りデータを蓄積する。ウェブにおける健常者データは比較的迅速に回収できるため、まずは健常者におけるオベシティスティグマの実態とうつ、小児期逆行体験、受療行動、等について検討し発表していく。
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