研究課題/領域番号 |
23K09590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
矢野 良一 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (90570747)
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研究分担者 |
角山 香織 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (10571391)
羽田 理恵 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (20309199)
加藤 隆児 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (30411482)
佐藤 卓史 大阪医科薬科大学, 薬学部, 教授 (80257899)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 知識統合 / 薬学教育 / 教育者 / 学習者 |
研究開始時の研究の概要 |
薬学は、基礎科学の知見を臨床、創薬、公衆衛生など様々な分野に応用する複合科学であり、薬学教育の現場では知識統合による問題解決能力の醸成が課題である。過去の薬学分野における教育研究では、教育者や学習者の主観・行動に焦点を当てて分析したものは少ない。知識統合について、教育者の意図や教育実践と学習者の経験(認知)との間にギャップが存在する可能性があり、そのギャップを明らかにすることが知識統合を促す新たな教育方略の提案につながる可能性がある。本研究では、薬学教育の場で学習者の知識統合を促す重要な要素は何か、という問いを立て、質的研究の手法によりこの問題にアプローチする。
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研究実績の概要 |
薬学は幅広い知識を統合して活用することが求められる複合科学である。本研究では、薬学教育の場における、教育者と学習者双方の知識統合に対する認識のギャップを明らかにする研究を通じて、知識統合を促進する教育手法の提案を目指す。 本年度は薬学教育者が考える知識統合のイメージを把握することから着手した。第8回日本薬学教育学会大会にて本課題に関連するシンポジウムを企画し、薬学部の教員と医療現場の薬剤師から、それぞれが考える知識統合のイメージ、および教育実践の実例が紹介された。現状として、基礎薬学の知識が臨床の問題解決に結びついた実例を授業の中で学生に示すような取り組みが薬学の教育者に意識されるようになってきているが、一方でこれらを事例として教授するだけではなく、学生が自ら問題解決に取り組む場の提供が重要と考えられていた。 次に、「臨床実践の場における経験が知識統合を促進する」という仮説に基づき、薬学生が初めて臨床実践を経験する実務実習において、薬学生の認識の変化を捉えるための検討を開始した。2023年度は予備的検討として、大阪医科薬科大学病院で実務実習中の少数の薬学生を対象に症例プレゼンテーションの機会を設け、その参加者を対象としたアンケート調査を実施した。その分析結果から、今回用いた発問では知識統合について回答者の深い認識を探ることができていないことがわかった。そのため、発問内容の精査と修正を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、本年度は所属施設の教員を対象としたインタビュー調査を行う予定であった。しかしながら、研究分担者の異動等が影響して研究体制の見直しが必要となり準備に遅れが生じたため、インタビューを実施することができなかった。一方で、当初の計画にはなかったが、学会シンポジウムにおける意見交換を企画して開催することができ、一定の成果が得られた。また、学習者を対象とした予備的検討を実施できた。以上から、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、所属施設の教員を対象とした調査について研究方法の見直しを行い、インタビューの分析からアンケート調査に切り替える予定である。これによりデータ収集と解析を迅速に進められると考えている。また、臨床実践の場における薬学生を対象とした予備的検討の結果を踏まえ、アンケート調査の発問について精査・改変を行ったうえで、本格的にデータ収集を開始する。次年度以降、データ収集と分析を進め、その成果をまとめて学会で発表する。また、当初の計画通り、薬学部で学ぶ様々な学年の学生を対象とした、知識統合の経験や認識に関する調査を開始する予定である。これらの検討を通じて、薬学における知識統合のプロセス、およびその促進要因に関する知見を蓄積していく。
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