研究課題/領域番号 |
23K09599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
井上 真智子 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (80609090)
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研究分担者 |
鈴木 みずえ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40283361)
松井 智子 浜松医科大学, 医学部, 特任講師 (40886686)
大磯 義一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80543909)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 認知症 / 人生の最終段階 / ケア目標 / ケアの目標 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症をもつ患者においては病状の進行とともに本人の意思表示が困難となる。本人の意向に基づくケアの実施を目指し、認知症の病期(初期・中期・後期)に応じたアドバンス・ケア・プランニングおよび「治療・ケアの目標(goals of care)」の話し合いを推進する包括的介入プログラムを開発し、外来・在宅における実現可能性を評価する。実施により、代理意思決定者の意思決定における負担や葛藤がどの程度軽減されるか質問紙およびインタビューを用いて量的・質的に評価する。また、終末期にどの程度、本人の意向に基づいた治療やケアがなされたか「本人の意向との一致(concordance)」を評価する。
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研究実績の概要 |
人生の最終段階において患者本人の意思を尊重した意思決定を行うため、本邦でも2018年よりアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実践が推進されているが、認知症をもつ患者においては病状の進行とともに本人の意思表示が困難となる。 認知症の患者に対しては、診断初期からACPが行われていないことに加え、病状の進行に応じて「治療・ケアの目標(goals of care: GOC)」が話し合われていないことも課題である。GOCは、ACPに基づき、治療・ケアの目標を①疾患の治癒・延命、②生活機能の維持、③症状緩和のいずれを優先するか、話し合うものである。このように認知症では病期に応じて、ACPさらにGOCの話し合いが必要となりその割合が変化するため、一般外来および在宅医療において認知症の病気に応じて話し合いを変化させることが求められる。 今年度実施した文献レビューで以下のことがわかった。認知症をもつ人におけるGOCの話し合いとACPの実施は、実際の終末期における事前指示の有用性と希望した場所での死亡と関連していた(Ma, et al., 2021)。2020年に発表されたアンブレラレビューでは、認知症をもつ患者におけるACPに関するテーマは、1)タイミングとテイラーリング(個別化)、2)参加意欲、3)医療者の役割と責任、4)関係性、5)研修、6)必要なリソースの6つが挙げられた(Wendrich-van Dael, et al., 2020)。一方、我々の研究でも時間やリソース、コミュニケーションスキルの課題が示されているように医療者側の抱える障壁が指摘されている。認知症をもつ人とのACPコミュニケーションの実施および認知症の進行に伴うコミュニケーション能力や感情の変化に対応するためのスキル訓練やガイドの必要性が示唆されている(Visser, et al., 2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献レビューおよびプライマリ・ケア医療者を対象とした「認知症をもつ患者へのACP」研修会に関する研究成果のまとめを行った。論文はアクセプトされ、現在掲載待ちである(Kistler, et al, in press)。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は、今年度の成果をもとに具体的な研究実施計画を立て、実施へと進める。浜松市のACP部会の活動として「人生会議手帳2」の開発と急性期医療機関での活用に向けた検討を進めており、認知症を持つ人への特別な対応についてこれと連動した形での実施を進めていく。
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