研究課題/領域番号 |
23K09603
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
貫井 陽子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20568232)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 薬剤耐性菌 / アウトブレイク / 感染対策 / 新型コロナウイルス感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤耐性菌は新型コロナウイルス感染症流行禍においても”Silent Pandemic” として拡大し続け、全世界的な脅威となっている。今後ポストコロナ時代において海外からのインバウンドの再増加により日本国内においても海外で流行している薬剤耐性菌のアウトブレイクのリスクが高まっている。本研究は海外由来耐性菌の遺伝子・分子疫学解析を行うことで、国内流行株との差異を明らかにし、臨床的特徴・薬剤感受性結果などの情報を元に最適な治療方法の確立を目的とする。また、病院内環境における各種環境での生存期間・伝播経路を評価することで、効果的な感染対策を確立することを最終的な目標とする。
|
研究実績の概要 |
薬剤耐性菌は新型コロナウイルス感染症流行禍においても”Silent Pandemic” として拡大し続け、全世界的な脅威となっている。今後ポストコロナ時代において海外からのインバウンドの再増加により日本国内においても海外で流行している薬剤耐性菌のアウトブレイクのリスクが高まっている。ひとたびアウトブレイクが生じた際には、適切な個人防護具の着用・接触予防策の開始・個室隔離・環境培養調査・遺伝子解析・保菌調査・新規入院の停止など様々な対策をバンドル(束)化して迅速に進めていく必要がある。米国では、それらの感染管理にかかる費用は年間約100億ドル、デンマークでは年間2.7億ユーロと推定されており、医療経済的な側面においても海外由来薬剤耐性菌の対応は重要である。このような状況に備えるため申請者が在籍していた病院では2019年より海外において医療歴のある患者、海外居住者、頻回の海外渡航歴を有する患者を対象に入院時耐性菌スクリーニング検査を開始した。257株のスクリーニング検体から62株の耐性グラム陰性桿菌を検出し、特に東南アジアからの患者では耐性菌検出率は48.1%と高率であった。検出された海外由来グラム陰性桿菌の内、93.5%が大腸菌、3.2%がKlebsiella pneumoniae、1.6%がKlebsiella oxytoca, Klebsiella aerogenesであった。海外由来耐性大腸菌の耐性機序は、基質特異性βラクタマーゼ(ESBL)産生が91.4%、ESBL産生とAmpC過剰産生が3.4%、カルバぺネム耐性が5.2%であった。 本研究は海外由来耐性菌の遺伝子解析、分子疫学解析を行うことで、国内流行株との差異を明らかにし、臨床的特徴・薬剤感受性結果などの情報を元に最適な治療・感染対策法の確立を目的とする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
83株の海外由来耐性グラム陰性桿菌の菌種、耐性機序解析が終了した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は薬剤耐性遺伝子保有状況、遺伝子型解析を実施し、国内株との比較を行う。
|