研究課題/領域番号 |
23K09608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平野 洋平 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (70621895)
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研究分担者 |
森川 美樹 順天堂大学, 医学部, 特任准教授 (40621892)
西崎 祐史 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60743888)
近藤 豊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (90642091)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 医学教育 / アプリケーション / 能動学習 |
研究開始時の研究の概要 |
良質な医療の提供には医師の質の向上は必須であり、そのための学生の頃からの良質な医学教育の提供が求められている。しかし、現在の医学教育は知識のインプット重視型の教育が主体となってしまっている現状がある。このような医学教育における課題に対して申請者らは、本研究で、実際の医療現場で臨床医が患者を診療する際に行うワークフローを再現する疑似症例体験ウェブアプリケーションの開発を目指す。さらに、開発されたアプリケーションを基盤とした体験型の医学教育と標準的な座学による医学教育を2パターン医学生に受講してもらい、その授業の効果を比較して検証するパイロット研究を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
まず、アプリケーション開発に利用するツールとして、開発の容易さと、試行・修正のサイクル(アジャイル)の開発への相性から、ノーコードツールを選択し、アプリ開発に関する要件定義を行った。基盤となる1症例目としては、研究代表者が救急診療、集中治療の専門家であること、及び医学生や研修医が学ぶ際に基礎的内容を網羅しやすいことなどの理由から、救急外来を受診した敗血症患者の診療に関する疑似診療体験を作成することを決定した。アプリケーション作成においては、症例の具体的情報(症状、病歴、既往症、個々の問診とそれらに対する患者の返答内容、種々の身体診察とその結果、血液検査をした場合の結果、レントゲンやCT検査を行った場合の画像、種々の治療を選択した場合の患者のバイタルサインや症状の反応など)の詳細な決定が必要なため、参考文献及び敗血症患者のカルテデータの一部を妥当な範囲で修正しオリジナルの敗血症症例を作成した。症例が完成の後、実際の医療現場で臨床医が患者を診療する際に行うワークフローを再現する「疑似症例体験ウェブアプリケーション」の開発の着手を開始した。作成されたオリジナル症例の具体的特徴それぞれを、ノーコードツール内に内包されているデータベースに登録した。症例に実際行われるであろう、または初学者が間違って選択する可能性が高いと思われる検査や治療を10-15ほど決定し、それらの検査、治療、およびそれらに対する患者のバイタルサインの反応などもデータベースとして登録した。本年度は主にこれらのツール選定や要件定義、1症例目となるオリジナル症例の作成やそのデータベース化を行うプロセスで研究の過程を終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
疑似症例体験ウェブアプリケーションを作成するにあたり、アプリケーションのユーザー(医学生や研修医)がどのような問診や検査、治療などの診療行為を行うかに関しては自由度が高すぎるため、それらを選択肢として与えることである程度限定する必要があった。しかし、それら選択肢に対する反応もまた、実臨床に即した形となるようにパラメーター設定をしなければならず、学習用のオリジナル症例の多彩な分岐をリアルな診療に即した形でデータベースとして登録する作業に多大な時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、本年度作成したオリジナル症例に関する疑似症例体験ウェブアプリケーションアプリが、最小限機能することを目標に開発を進めていく。1症例目に関する最低限のデータベース登録は完了したので、アプリケーションの見た目(インターフェース)の開発と、ユーザーが選択した診療(ボタンなどによる選択)への反応がアプリ上で表現されるように開発を進めていく。 また、本年度の研究過程で、症例の詳細な設定を事前決定することは時間効率性が悪かったため、大規模言語モデルを使用した自由度の高い症例作成やアプリ上の反応設定に関しても検討を行っていく。
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