研究課題/領域番号 |
23K09612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
逸見 知弘 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00413849)
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研究分担者 |
小野 淳一 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50435351)
高山 綾 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60413514)
片岡 真吾 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (30965398)
鳥越 貴之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (30965380)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 血液透析 / 穿刺技術 / 技術の定量化 / 技術の評価 / 技術伝承 / 痛みの推定 / トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
各種生体計測機器を用いて,複数の熟練者が穿刺を行う際の姿勢や視線,針の動きを計測し,計測したデータを統計的に処理し得られる共通の特徴的なデータを,熟練者の技能データとし独自に定義する。また,穿刺時に針にかかる力や回転トルクを力覚センサで計測し,その計測データから痛みの推定量と定義する。これらの,熟練者の技能データと痛みの推定量,さらに2データの相互の関係性に基づいた,穿刺技術得点化システムを新たに開発し,これを用いた初心者の訓練方法の確立ならびに評価に応用する。
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研究実績の概要 |
本研究は,血液透析時の穿刺技術を定量的に評価するシステムの開発し,開発したシステムを用いた初心者の訓練方法の確立と穿刺技術の評価に応用することを目的としている。そこで,各種生体計測機器を用いて複数の熟練の臨床工学技士が模擬血管に穿刺する際のデータとして,穿刺を行う際の姿勢や視線,針の動きを計測し,それらのうち共通の特徴的なデータを熟練者の技能データとして独自に定義し穿刺技能の定量的な評価の指標とする。また,穿刺時に針にかかる反力や反転トルクを計測することで,患者が穿刺時に皮膚や血管に受ける影響を定量的に評価する。 本年度は,熟練者の技能データを計測する実験装置の整備ならびに確認のための予備実験を行った。穿刺針の入針角度と入針速度の計測は,針にモーションキャプチャー用のマーカを2か所取り付け,正面と側面から撮影し画像解析を行うことで,入射角と血管走査に対する針のずれや入針速度を計測した。 施術者の視線計測は,新たに眼鏡型の視線計測カメラを導入し,穿刺時の視線の遷移・軌跡ならびに注視している場所や注視割合を計測できるよう整備した。 穿刺時の患者に与える影響の計測は,穿刺抵抗が小さいほど患者への影響が少ないことに着目し,針の根元に取り付けた6軸力覚センサにより針に掛かる反力・反トルクを計測し相対的に比較することで,穿刺時の患者への負荷の有無や大きさを評価する。入針角や入針速度,針の回転の有無を変化させた予備実験をおこない,それらのデータを解析・比較した結果,穿刺角や速度の違いや回転の有無による皮膚への負担に違いがあることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
穿刺時のデータ計測実験に利用する視線計測システムが,通常正面をみて計測するシステムであるため,下向きで行う穿刺時のデータを計測すると,一部計測データにズレが生じることが判明した。原因を調査した結果,カメラのキャリブレーション方法に問題があると推測でき,予定を変えて下向きでの計測に対応した新しいキャリブレーション方法を検討した。 それにより,本来は,本年度後半から熟練者の穿刺時のデータ計測実験を行う予定であったが,現在実験に向けた準備の段階であり,当初の予定より計測実験の開始が遅れたため「やや遅れていると」判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,遅れている熟練者の穿刺時のデータ計測を最優先に行う予定である。また得られたデータから熟練者の共通の特徴的なデータを熟練者の技能データとして独自に定義し穿刺技能の定量的な評価の指標とする。熟練者の技能データに基づいて,施術者のデータが熟練者にどの程度近いかを点数化することで,初心者への練習の指標となるシステムを開発する。また,不随的な研究として,穿刺を行う机にカメラ画像からマーカの姿勢角を計算できる高精度マーカを設置し,視線カメラで計測したカメラ画像から,カメラに対するマーカの姿勢角を計算することで,相対的に机に対する施術者の頭の向きを計測できるシステムを開発する。
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