研究課題/領域番号 |
23K09622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮崎 景 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50817690)
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研究分担者 |
若林 英樹 三重大学, 医学部, 寄附講座教授 (00378217)
高橋 徳幸 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (00758732)
後藤 道子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 寄付講座講師 (10608946)
末松 三奈 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (10728744)
梅村 絢美 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (80870261)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Positive Health / SCAT / Qualitative analysis / Medical professionals / Japanese monks / ポジティヴヘルス / 健康の概念 / positive health / クモの巣ツール / オランダ |
研究開始時の研究の概要 |
WHOにより1948年に提唱された「健康」の定義は時代にそぐわず過剰診断や医療化の原因となっており、高齢化社会にあわせて再定義した「ポジティヴヘルス」という「いきがいとレジリエンスを融合」した概念がオランダにおいて国家をあげて導入され、成果をあげつつある。本研究では①オランダ版ポジティヴヘルスの6つの次元と44の指標をベースに、日本版「ポジティヴヘルス」を混合研究で構築し、②医療、介護の現場でその有用性を検証し③ポジティヴヘルスを実践するための教育・啓発活動を行う。
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研究実績の概要 |
本研究はオランダにおいて実証されている「ポジティヴヘルス」という新しい健康概念とその実践法を、骨格はそのままに日本版に再構築し、導入しその効果を検証するために、以下の2つを目的としている。① ポジティヴヘルスの6つの次元と44の指標をベースに、日本版ポジティヴヘルスの「次元」と「指標」を再構築する。② 日本版ポジティヴヘルスに基づく日本版「クモの巣ツール」を用いた実践が医療、介護の現場で有用かを検証する。 この目的を達成するための混合研究を計画したが、本年度は「ポジティヴヘルスの6つの次元と44の指標をベースに、日本人の健康観を再構築する質的研究を行った。具体的には、「ポジティヴヘルスの診療に携わった医療/介護者(医師、看護師、理学療法士、福祉環境設計士)を対象とした研究(研究①)、及び健康の概念に関わる専門家として僧侶を対象者とした研究(研究②)の二つを施行した。それぞれSnow ballサンプリングで対象者を集め、個別インタビューによる半構造化面接を行い、逐語録をSCAT(Steps for Coding and Theorization)にて解析した。取得した情報としては、2つの健康の定義(WHO、ポジティヴヘルス)に対する肯定的、否定的意見、日本人特有の健康観、幸福観、ポジティヴヘルス実践時の経験、オランダ版ポジティヴヘルスの6つの次元と44の指標に対する意見などが挙げられる。それぞれ、学内の研究会での発表を終え、学会発表、論文化に向けて準備中である。研究①は2024年6月に開催される第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(浜松)において発表予定で、演題登録済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の遂行自体は順調に進んでいるが、学会発表、論文化が当初の予定よりやや遅れている。主研究者の異動に伴う、日常業務の変化が大きく関係しているが、研究計画自体は予定通り遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には、positive health発祥の地であるオランダにおいて、positive healthを推進しているinstitute of Positive Health(iPH)の責任者であり、本研究のアドバイザーでもあるKarolien van den Brekel-Dijkstra先生らの協力を得て、視察を行う予定であり、質的研究③も施行予定である。また質的研究①-③をまとめた結果を元に、量的研究のデザインに本年度は取り掛かる予定であるが、そちらの内容、方法についてもオランダのiPHチームや共同研究者と引き続き協議をしているところである。
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