研究課題/領域番号 |
23K09625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
小田 康友 佐賀大学, 医学部, 教授 (60253621)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 能動的学修 / 自己主導型学修 / 遠隔・対面融合型教育 |
研究開始時の研究の概要 |
医学部臨床実習前教育課程を、遠隔教育と対面教育を融合した能動的学修カリキュラムとして構成し、その教育環境における学生の学修状況、生活状況、学修への適応状況(自己主導型学修適応状態評価表を用いて測定)を調査し、遠隔教育を基盤とした大学教育の有効性と問題点を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、医学部臨床実習前教育課程を、遠隔教育と対面教育を融合した能動的学修カリキュラムとして構成し、その教育環境における学生の学修状況、生活状況、学修への適応状況を調査し、遠隔教育を基盤とした大学教育の有効性と問題点を明らかにすることを目的としている。今年度は、1.3.4年次学生410名を対象に下記3カテゴリー9項目について測定した。(1)学修状況:正規カリキュラムの学修履歴・成績、問題行動の有無 (2)生活状況:個人学修・グループ学修、課外活動、アルバイト、食事・睡眠、体調等 (3)学修への適応:SDLRS(自己主導型学修適応状態評価表)を用いて測定。これにより遠隔・対面融合型能動的学修カリキュラムの特性を把握するとともに、遠隔教育下の学生の学修や生活、そして学修への適応状態(自己主導型学習者としての学修観や学修能力)がどう変化するか、過去の対面教育とはどのような差が出るかを明らかにし、今後の遠隔教育を組み込んだ大学教育の有効性と問題点を明らかにしている。 今年度の特筆すべき結果としては、入学時のSDLRSにおいて高い自己評価をつけた群と、低い評価をつけた群では学力スコア及び、入学後の学修による推移に差があったことである。入学時のSDLRS高評価群の学力スコアは低評価群のスコアよりも有意に低かったことである。その後学年進行に応じて高評価群のスコアは低下し、低評価群と同等になっていく。学力が低い学生ほど自己学習能力を実態以上に高く評価し、その後の大学での学習への適応に苦労する中で、SDLRSスコアも現実に即したものへと安定していくことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学生の学習状況や生活状況、SDLRSの測定と入力は、研究補助者を雇用して順調に進んでいる。遠隔教育環境の充実しつつあり、現在、580本のオンデマンド講義動画を用いた基礎知識の習得と、PBL(問題基盤型学修)などのアクティブラーニングを用いた発展的学修の仕組みも整備されている。このまま年次進行で学生の学修適応度を把握し、入学後の変化と、そこに影響する因子を見出していく。特に、遠隔教育を用いたアクティブラーニングの効果の検証は、重要な課題だと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の医学教育においては、対面教育と遠隔教育の融合は不可欠となっていく。特に「働き方改革」によって教育エフォートが低下する臨床系教員が担当する臨床系科目においては、遠隔教育(オンデマンド講義を用いた自己主導型学習・評価)の重要性が増すことは避けられない。その際、その学修を自己主導型学修能力を有する能動的学修者へと成長させるためには、どのような教育的介入が必要か、どのような学修環境を整備すべきかを検討する。
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